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ロス市警で映画さながらの復讐劇!解雇の元警官「同僚・家族50人殺す」

   米カルフォルニア州のロサンゼルスで、市警へ激しい復讐心を募らせた黒人の元警察官が、仕返し殺人や警察官との銃撃戦の末、焼死した。ハリウッド映画さながらの事件をニューヨーク支局の西橋麻衣子が伝えた。

白人警官の暴力告発したらクビ!

   犯人のクリストファー・ドーナー容疑者(33)は大学を卒業後、2005年にロス市警入りし、06年にはイラク戦争に従軍して数々の勲章を得たエリート警官で、射撃のエキスパートでもあった。

   ことの発端は2007年に遡る。ドーナーがホテルで暴れていた男を逮捕した際、同行していた女性警官が男の顔をけるなど暴力をふるったのをドーナーが上司に報告、男も女性警官による暴行の事実を証言した。

   しかし、ロス市警は男の証言は信憑性がないと取り上げず、ドーナーはウソをついたとして解雇された。怒ったドーナーは「女性警官は白人で、いまも人種差別が続いている」と裁判所に提訴したが、裁判所も「暴行の事実を確認できない」と提訴を棄却してしまった。

   ここからドーナーによるロス市警への復讐劇が始まる。2月3日(2013年)に駐車場で若いカップルの射殺死体が見つかった。警察が殺人事件として捜査を始めて3日後、インターネットにこんな犯行声明文が載った。「ロス市警の同僚・家族50人を殺す」

   声明文には殺害のターゲットとして、どーナーの元同僚たちの名前が載っており、殺されたカップルのうち女性は元ロス市警幹部の娘だった。

立て籠もる山荘で銃撃戦の末焼死!ネットは「口封じだ」

   逃亡しながらさらなる復讐を狙うドーナーに、ロサンゼルス市長は情報提供者に100万ドル(9300万円)という史上最高額の懸賞金をかけた。パトカーがドーナーの乗った車を発見して銃撃戦となり、警官1人が死亡、2人が重軽傷を負ったり、焦った警察がドーナーの車と勘違いして一般人の車に発砲して、乗っていた2人の女性が重軽傷を負うなんてことも起きた。

   カルフォルニア州のスキー場に潜伏しているという情報を得た警察は、森の中で燃えているの車を発見し、周辺を捜索してようやくドーナーが潜伏する山荘を突き止めた。ここでも銃撃戦となり警官1人が死亡、1人が重傷を負った。てこずったロス市警は発火性のある催涙弾を山荘に投げ込み、炎上した山荘からドーナーの焼死体が発見された。

   事件の幕はこれで下りたかに見えたが、ロス市警に対し今度は全米のメディアやインターネットによる市民の攻撃が始まった。「警察はドーナーの主張が100%正しいとわかっているから、不祥事をもみ消すために殺したのよ。生かしちゃおかなかったのよ」

   キャスターの小倉智昭「まるでドラマを見ているような感じ。ロス暴動のようなことが起きなければいいが。あそこで発火性の催涙弾を使ったのは胡散臭いですね」