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蒼国来「解雇無効判決」土俵復帰!ブランク2年…相撲取れるのか?

   軍配は相撲協会ではなく、元幕内力士の蒼国来(中国出身・29歳)に上がった。大相撲の八百長問題をめぐり日本相撲協会から解雇された蒼国来が解雇の不当などを訴えた訴訟で、東京地裁はきのう25日(2013年3月)、「八百長を裏付ける十分な証拠はない」として解雇無効の判決を言い渡した。

相撲協会は控訴せず「判決覆す証拠乏しい」

   蒼国来は2010年夏場所の取組で八百長をしたとして、協会から引退勧告を受けたが、従わなかったため解雇された。蒼国来はこれを不服として提訴していた。判決は八百長をしたとする他の力士の証言は具体性を欠いており疑問があると指摘し、問題とされた取組での八百長は認められないと判断した。蒼国来は「長い時間かかって、こういう結果が出ました。一日も早く相撲に戻りたいので、これからも宜しくお願いします」と喜びを語った。

   小松靖アナがけさ(3月26日)の日刊スポーツの紙面をみながら解説する。「これによって、相撲協会は負けたという形になったわけですけれども、判決を覆すだけの証拠が乏しいため、控訴を断念することが協会関係者の話でわかったと伝えています。4月上旬の臨時理事会で正式決定するということです。いったん土俵を離れた力士が再度復帰するのは前代未聞のことだそうです」

「四股踏んでも相撲取ってないと…勝てるかなあ」(舞の海)

   司会の羽鳥慎一がコメンテーターの元小結・舞の海秀平(スポーツキャスター)に聞く。「2年間土俵を離れていて、現実的に大丈夫なんですか」

   舞の海「いや、27歳から29歳ですから、力士として一番力を出せる時期を失ったということは蒼国来にとっても腹立たしいことだと思います」

   本人は四股を踏んだりしてトレーニングを続けてきたというが、「やっぱり最低でも自分と同じぐらいの力士と常に相撲をとっていないと実力を維持することはできないんです。幕内に復帰したとしても勝てるのかな、という不安はあります」

   舞の海は協会の姿勢について言及した。「そもそも相撲協会はこういう判決が出ることを考えて進めなければいけなかったと思うんです。スポーツといえない相撲という独特の世界のことを法廷の場で争うことは無理があります。義理人情や情けを大切にする世界だったのに、何かあると解雇、解雇でことを進めようとするから、無理がたたってずさんな調査になった。自分たちで自分たちの首を絞めているようなものですよね」

   舘野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)「不当解雇された人が他にもいたかも知れない。泣き寝入りしてしまったかも知れませんね」

   そういう力士がいたとすれば、どういう思いで今回の判決を見ただろうか。蒼国来は土俵に上がって勝ち星をあげてこそ本当の美酒を味わうことができる。