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「飯島参与訪朝」手ぶらで帰せない北朝鮮…拉致問題でどんなカード出してくるか?

   本人は極秘の訪問のつもりだったが、飛行機のタラップの下でテレビカメラが待ち受けていた。飯島勲・安倍内閣官房参与の突然の訪朝の狙いは何か。日朝どちらから訪朝話を持ちかけたのか。

極秘のはずが飛行機タラップの下にテレビカメラ

   飯島参与訪朝について、国会で質問された安倍首相は、「参与の訪朝についてはノーコメント」を4回も繰り返した。菅官房長官も会見で10回以上ノーコメントを重ねた。

   司会のみのもんたがソウル支局長や北京支局長をつとめた平井久志・共同通信客員論説委員に「空港で飯島参与を待っていたカメラの中に、共同通信のカメラマンもいた。ということは、飯島参与の訪朝が事前にメディアに知らされていたということですか」と聞いた。

   平井「たしかに平壌には共同通信の支局があります。でも、日本人の記者は北京に常駐していて、何かがあれば平壌に飛んで行く。あの映像は北朝鮮スタッフが撮影したもので、あちらが事前に何らかの情報を入手していたのでしょう」

   みの「飯島さんは大きなバックを両手に持ってタラップを降りてききましたが、その姿を北朝鮮はいち早く公開しました。こういう例がいままでにありましたか」

   平井「過去の行為について、日本が許しを請いに来たという印象を国内向けに与えたかったのでしょう。アメリカや韓国向けには、日米韓3か国の連携にくさびを打ち込んでいるとアピールする狙いだと思いますね」

帰国直前に大物との会談

   みの「内閣参与の訪朝なのだから、安倍総理は事前に知らされていたはずですよね。それなのにノーコメントで通すというのは特別な事情でもあるんでしょうか」

   平井「おそらく、話し合いの中身について現段階では連絡が来てないのでしょう。だから、軽々に話せないとノーコメントと答弁したと思います」

   コメンテーターの小松成美(ノンフィクション作家)が「どんな話し合いが行われているのでしょうか」と質問すると、平井は「拉致問題が前進しなければ日朝国交正常化も何もないというのは北朝鮮も学んでいるはず。きのう会談した金永日朝鮮労働党国際部長は閣僚級の人物で、空港で出迎えたのは外務省の幹部でした。外務省と党が総掛かりで対応しています。拉致問題で、飯島氏帰国直前に金部長よりも上の大物との会談があるかもしれません」と話す。まあ、ここまで宣伝した以上、北朝鮮も手ぶらで帰すわけにはいかないだろう。