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株乱高下!「アベノミクスは怖いジェットコースター」もう止められず下りられず

   株式市場の乱高下が止まらない。きのう27日(2013年5月)の日経平均株価は、前日比600円近い安値から始まり全面安の展開となった。午後に入っていったん戻したが、今年2番目の下げ幅の469.80円安の大引けとなった。きょう28日も100円以上の安値からのスタート。アベノミクス相場のその先は誰にも読めなくなってきた。

   菅官房長官は「1000円上がったのもあるし、いまは調整段階」と官僚に吹き込まれたような言い草である。だが、個人投資家は久しぶりの高値に酔っていたところに冷水だ。「値動きが大きいと精神的によくない」というボヤキも聞かれる。

街では景気回復の実感ない7割―「給料増えない」「原材料上がって消費増税」

   ANNによる世論調査では、「アベノミクスによる景気回復を実感しているか」という質問に、「実感している」18%、「していない」70%だった。そりゃあそうだろう。大手企業の収支は改善しても、まだ給料が増えるところまではいってない。街で聞いても、「給料が増えるわけでもないし」(主婦)、「まだ感じない」(会社員)、「まだデフレだよ」(酒店主)、「原材料がもう上がってきたから、このうえ消費税なんてね。なるべく節約」(総菜店)。一方で、「高いワインが出るようになった」(イタリア飲食店)というのもある。

   「モーニングバード!」が4人の専門家に聞いたら、みな違う読みだ。

「日銀がデフレ脱却に姿勢をしっかり示せば、落ち着く。海外の経済が回復すれば、再び株高、円安になる」(第一生命経済研究所・嶌峰義清首席エコノミスト)
「半年の間に70%も上がるというのがむしろ不思議だった。過熱感を抑える意味では適正かなと。(不安定は)1週間か1か月続く」(経済評論家・平野和之氏)
「アベノミクスってあまり長く続かないと思ってる。ひょっとすると、アベノミクスの終わりの始まりかもしれない。極めて不安定な状態が続く」 (ヒジマキ・ジャパン藤巻健史社長)
「起こるべくして起こった。安倍政権は株を上げる、円を安くすることばかりに集中していたから、景気回復の実感がないのは当たり前です。バブルとデフレが同時進行する事態もある」(同志社大大学院・浜矩子教授)

専門家ひとつ覚え「実体経済の成長にながるまでは…」ホントにつながるの?

   司会の羽鳥慎一「実感がないというのが7割ですか」

   舞の海秀平(スポーツキャスター)「国民みんなが宵越しの金は持たないと、ガッと使えば…」(笑い)

   黒宮千香子レポーター「もう何か月も街で聞いていますが、きのうも『どこで回復してるの?』でしたね。専門家も見方が違いますが、共通しているのは『実体経済を成長させないといけない』です」「株などの金融経済ではなくて、企業の生産性が上がって、給料が上がって、お金を使うようになればというわけです」

   羽鳥「当初から言われていることですよね」

   宮田佳代子(ニュースキャスター)「専門家だってわからないんですから、実感は全然ないですしね」

   舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「怖いジェットコースターに乗っちゃったようなものですよ」

   株価の動きの不確かさのひとつに、高速で売り買いできるシステムがある。さまざまな経済指標をもとに、コンピューターが勝手に売り買いにかかわる怖さを見過ごしていはしないか。安倍首相が昨年末(2012年)にはいた「日銀がお札をじゃんじゃん刷って」というのに市場が反応したとされているが、最初に反応したのは人間ではなかったのではないか。意図的、刺激的な言葉、情報で、何かが勝手に動き出す怖さを、誰もいわないのが怖い。