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端から実現性薄い八尾空港オスプレイ訓練―橋下市長は百も承知で提案?

   日本維新の会の橋下徹・共同代表(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)はきのう6日(2013年6月)、安倍首相、菅官房長官をたずね、米軍の新型輸送機オスプレイの訓練の一部を大阪・八尾空港で受け入れる案を提示した。

   会談のあと橋下は「オスプレイの負担を本州でわかちあうために、まずは八尾空港を検討のテーブルに上げていただきたいと申し入れた」と話した。沖縄の負担の肩代わりを他県の自治体が申し出るのは初めてだ。安倍は「自治体からの声はありがたい」として、可能性を検討するよう防衛相に指示したという。

寝耳の水の八尾市長「まったく何の説明ないまま候補地にされた」

   空港のある八尾市の田中誠太市長はきのう午後、「安全性、合理的な理屈も含めて説明があれば、八尾市として全く否定するものではない」としながらも、「まったく何も説明がないまま候補地に上げられたのは遺憾」と反対を表明した。田中市長は経歴としては民主党系である。

   八尾空港は大阪府の東部、住宅地の真ん中にある小型機専用の空港で、学校や団地がすぐそばにあり、実現の可能性に疑問符がつく。きのう上空から見たリポーターの田中良幸は「市街地の真ん中です」といっていた。映像で見るかぎり、沖縄・普天間飛行場よりも近隣との垣根はないように見えた。

小型機専用空港「5・7トン未満」規制を10トンオーバー

   司会の小倉智昭「自治体が沖縄の負担軽減に動くのはいいことだが、それが実現可能かどうかが問題」という。専門家は八尾空港が市街地にあることで実現性に首を傾げる。おまけに小型機専用で、滑走路の離着陸時の搭載重量は5.7 トン未満となっている。オスプレイは自重だけで16トンと10トンもオーバーしている。笠井信輔アナは「橋下さんは無理を承知で声をあげた可能性も捨てきれない」と歯切れの悪いいい方だ。

   小倉「自治体が申し出るのは初めてですからね。これがたとえば関西空港のような周りが海の空港なら可能かもしれない。関空は国際空港ですから無理ですけど」

   橋下は大阪府知事だったときに、普天間移転に関して、関空で訓練を受け入れることもできるといったことがある。このあたり考えは一貫しているのかも知れない。ただ、いまは大阪市長だ。地元への根回しもなくいきなりというのがどうなのか。従軍慰安婦での失点のリカバリーと疑われる理由でもある。