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誘導灯に引っかけエンジン脱落!アシアナ機乗客「火が出てたよ」「急に上向き」

   きのう7日(2013年7月)午前3時半ころ(日本時間)、韓国・仁川からサンフランシスコ国際空港に到着した韓国・アシアナ航空のボーイング777型機(乗員・乗客307人)が着陸に失敗して炎上、2人が死亡した。

   アシアナ機は着陸前から何らかの異常があったらしく、乗客は「片方のエンジンから火が出ていた。その後、胴体着陸して火災が発生した」「機首が上がって変だと思った」「尾翼部分が低くなって地面にぶつかった」と話している。

着陸・停止後に機体内部出火・爆発

   事故機は極めて低い高度と浅い角度で滑走路に接近し、海上に並んだ着陸誘導灯にひっかけて左エンジンが脱落、滑走路手前の護岸に尾部から接地して胴体着陸の形になった。尾翼を含む機体後部や車輪などは吹き飛び、ここに乗っていた中国人の女子高校生2人(いずれも16歳)が機外に放り出されて死亡した。 2人は英語研修のためにアメリカでサマーキャンプに参加する予定だったという。

   機体は滑走路を外れて停止したが、この時、機内では「本機は無事着陸しました」とアナウンスがあったという。乗客は脱出シュートで機外に逃れたが、脱落して機体の脇にころがった右エンジンから出火し、機体内部に延焼・爆発を起こして天井部分が焼け落ちた。

   管制塔とのやりとりで着陸許可が出たあと、墜落7秒前に操縦士が「何があったんだ」「緊急事態発生」とがなっている。さらに4秒前には警報音、1.5秒前には「再度着陸を試みる」と話している。速度は規定より遅かったという。エンジンなど何らかのトラブルが考えられる。

   それにしても、脱出した乗客たちはほとんどが手荷物などをもっていた。脱出シュートも2本だけ。乗客が写した写真を見ると、手荷物を3個も持った人までいる。目撃者によると、乗客の脱出には5分くらいかかったという。国際安全基準は「90秒が生死の境」とされている。

   本来、手荷物など持ち出す余裕はないはずなどだが、火に追われて一刻を争うというような状態ではなかったのかもしれない。乗客の撮った動画には、滑走路脇でのんびり待機する乗客が機体の爆発音に驚く様子が写っていた。

信頼性高く、死亡事故なかったボーイング777

   アシアナ航空によると、2人のパイロットは入社20年近く、総飛行時間は1万時間近いベテランだという。また、このボーイング777型は1995 年の運航開始だが、信頼性の高い機体で、これまで死亡事故がなかった。日本でも日本航空、全日空合わせて100機ほどが運行していて、全世界では1000機にもなる。

   司会の小倉智昭「着陸態勢から何らかの異常があったということですかね」

   元全日空機長の前根明氏は「7秒前に異常をいってますから、何かがあったということ。誘導灯にぶつかったか…」

   小倉「低く入り過ぎた?」

   前根「進入角度を示す電波が止まっていた可能性があります。工事とかで」

   機体はコンピューター化されて安全性の高いものだというが、1か月前に不調で20時間ほど整備したという。運輸安全委員会はボイスレコーダー、 フライトレコーダーを回収している。