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やっと辞める全柔連・上村会長…講道館館長には留まり段位・昇段に影響力

   全日本柔道連盟の上村春樹会長はきのう30日(2013年7月)、会長以下全柔連の執行部5人が8月下旬までに総辞職すること、自身については「役職(会長) だけでなく理事も辞任する」ことと明らかにした。この日に開かれた臨時の理事会、評議員会を受けたもので、先日、内閣府が突きつけた引退勧告が決め手だったようだ。

内閣府の辞職勧告で観念したが…未練がましく「変な形で次に渡したくない」

   コーチによる暴力にはじまって、助成金の不正受給、はては理事のセクハラと不祥事が止まらない全柔連だが、上村会長は「全責任は私にある」といいながら、辞任を逃げ回ってきた。4月には「近いうちに」、6月には「改革が使命」と続投を表明、さらに「改革後の10月」なんて居座り続けた。「理事に残るかどうかは別」ともいっていた。

   公益法人を所管する内閣府が動いたのは7月23日だった。稲田朋美・行政改革担当相が上村を呼んで厳しい勧告書を突きつけた。安倍総理名で「公益認定を受けた法人として、事業を適正に実施しうる体制を再構築すること」とあり、「認定取り消し」の可能性も示して、「8月末」を期限としていた。このとき、村上は「(辞任は)10月としていたが、前倒しもありうる」と答えていた。

   この日の評議員会(59人)では、了徳寺健二氏らが「理事の即時解任」の動議を出したが、上村を含む23人の理事の解任は反対多数で否決された。しかし、その後に会見した上村は次の理事会を8月中旬に、評議員会を8月後半に開いて、執行部を退任すると話した。

   リポーターの田中良幸が「辞任を前倒しにした理由は、内閣府の勧告か」と聞くと、上村は「それも大きな要素。それと改革・改善のプロジェクトが目安がついたのもある」と答えた。田中はなおもしつこく、「進退の判断は間違っていなかったか」と聞く。報道の悪いクセだ。これに「これから先、みなさんが判断されることだが、自分としては変な形で次に渡したくない」と答えた。なるほど、全柔連には他に人がいないのだと感じさせる答えだった。

流れ決めた外部理事・橋本聖子参院議員「全理事が1度辞任すべきだ」

   この日の理事会では、外部理事の橋本聖子参院議員が「再任は妨げないが、全理事が1度辞任すべきだ」と発言して、事実上これが決まった。

   司会の小倉智昭「全国から来た評議員は、上村さんを失うことがいかに大きいかがわかってるんでしょうね。私たちにはそれが見えないから、ただただ不祥事ばかりが目立ってしまう」

   上村は全柔連の会長以外にも、国際柔道連盟の指名理事、講道館館長の肩書きがある。講道館館長は続ける意向で、講道館は段位発行と昇段の権限があり、今後も影響力は残るという。

   小倉「国際ルールの改正などで、上村さんが国際連盟を退くと不利になるかもしれないという声もある」

   どこかでけじめをつけないといけない。その時期が来たということだろう。そうすれば、自ずと新しい世代に道が開ける。