J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

緊急地震速報の誤報なぜ起きた?すべて自動の落とし穴―地震計のノイズ誤認

   おそらく、関東以西でケータイ、スマホを持つ全員が受け取っただろう。きのう8日(2013年8月)午後4時56分ごろ、「奈良を震源とする震度6弱から7の地震がある」という速報が流れた。ところが、揺れは来ない。誤報だったのだが、「ああ、誤報か」ですまないのが現代社会だ。新幹線は小田原~新岩国間で全線が止まった。 誤報とわかって復旧するまでに1時間以上かかったが、この暑さの中、冷房まで止まったからたまらない。

   大阪の読売テレビの編集局の映像があったが、「地震だ」と大揺れに備えてみな立ち上がったものの、何も起らない。しかし、「もう揺れてるはずだよ」「ヘリ飛ばして」「津波は?」と準備は続く。誤報とわかるまで何分だったか、ともかくその間、他の作業どころではなかったろう。

はるな愛「奈良の母にすぐ電話。地震なんか来てないよって…」

   コメンテーターの菊地幸夫(弁護士)は徳島空港にいたという。「一斉にケータイのアラームが鳴って、空港は海沿いなので、津波を警戒して離発着がとまってしばらく様子をみてました」

   はるな愛(タレント)は「母が奈良なのですぐ電話しました。『地震来てない?』『来てないよ』『今から来るから窓開けて』とかやりとりしました」という。どれだけの電話が奈良へ飛んだか。幸いパニックにはならなかった。

   気象庁は午後6時すぎ会見をして、誤報の原因を説明した。それによると、その時間に和歌山県北部でM2.3の地震があった。これとほぼ同時刻に、三重県の東南東200キロ沖の海中に設置されている地震計が、「地震の発生」を発信した。これで速報となったのだが、地震計のノイズを誤認したものだった。

   どういうことかというと、地震計には絶えずノイズがあって記録されているのだが、問題の時間の直前、そのノイズが約1秒間止まった。再びノイズが始まったのを地震の初動ととらえ、和歌山の地震と総合して大地震と判断してしまったのだ。ノイズが止まった理由は不明という。

震度5弱以上の予想で警報

   地震速報は地震の最初の波を感知して、次に来る本波の予測が震度5弱以上だと警告するものだが、すべて自動で、機械がやっている以上、不具合はつきものということになる。

   司会の加藤浩次「私も速報を受けましたが、こういうことは起こりうると考えておいた方がいいんでしょうね」

   キャスターのテリー伊藤「難しいね。こういうのがまたあると狼少年になりかねない」

   加藤「今の技術がこのレベルだとすると、こちらが備えないといけないんでしょうか」

   速報は一瞬の備えのためのものだ。来ても来なくてもそれが役割。