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踏切で倒れた老人助けようと…迫る電車気づかず犠牲!40歳女性優しさの悲劇

   踏切り内に横たわっている男性を助けようとした女性が父親の目の前で列車にはねられ亡くなった。「悔やみきれない」と娘の死に一時は号泣していた父親だったが、報道陣には「今となっては娘は死んじゃったけど、おじいさんが助かってよかった。それで自分を慰めるしかない」と語った。

父親号泣「止めたんだが、パッと行っちゃった…」

   どのような事故だったのか。亡くなったのは横浜市緑区に住む村田奈津恵さん(40)で、1日午前11時半ごろ(2013年10月)、JR横浜線・中山駅近くの踏切りで線路上に横たわっている男性を、踏切り待ちをしていた車の助手席から見つけた。運転していた父親の村田恵弘さん(67)の制止を振り切って「助けなきゃ!」と降り、「非常ボタンを押してください」と叫びながら踏切り内に入り、しゃがみ込みながら男性を動かそうとしたという。

   現場はカーブしていて踏切り側からは列車が見えにくい。女性が助けに向った時には間近に列車が迫っており、近くにいた男性が非常ボタンを押し、電車の運転士も急ブレーキをかけたが間に合わなかった。

   父親は「娘は『助けなきゃ』って言って一目散に行ったんです。もちろん制止しましたよ、『やめろ』って。でもパッと行っちゃった。小さい頃から優しいところがありましてね。酔っ払ったおじいちゃんが倒れていると住所など聞いて家族に連絡していた」という。

気づいた運転士、急ブレーキかけたが間にあわず

   司会の羽鳥慎一「いろんなことが重なった結果なんでしょうがねえ」

   たしかに、列車が来るのが見えにくい踏切り、心根の優しい女性が最前列で踏切り待ちをしていたことなどが重なった。それにしても、なぜ男性が踏切り内に横たわっていたのか。74歳の男性は鎖骨を折る重傷を負ったものの命に別状はなかったが、なぜ横たわっていたかは不明という。

   ジャーナリストの萩谷順「なくなられた女性は『非常ボタンを押して』と合理的な行動をしている。列車の運転士も見えたところで急ブレーキをかけているし、父親も『やめろ』と制止しました。それぞれが冷静で合理的な行動をしていて悲劇が起きてしまった。なんとも申し上げようのない悲劇ですね」

   ただただご冥福を祈るしかない。