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都会の住宅地が危ない「大雨がけ崩れ」擁壁に亀裂や膨張、排水口の詰まりチェック

   台風26号は伊豆大島で街を飲み込む大規模な土石流を発生させ、18人が死亡、いまだに39人の安否がわからない。原因はかつてない大雨(24時間で824ミリ)と、三原山からの火山灰で地盤が緩くなっていたためとみられる。しかし、大雨による崖崩れは都市部でも起きる。「身を守るには何に注意するべきか。都市部で起こる土砂崩れや水害をチェックします」(近藤泰郎アナ)

川のそばは「にごり」「石の音」「腐った草木の臭い」注意!土石流の前兆

   防災科学技術研究所の谷和夫氏(元横浜国立大教授)は「雨ですが、1時間に50ミリ以上の降雨量は大変強い雨です。24時間以内で200ミリは注意、300ミリならば避難をして下さい」という。

   洪水や土砂崩れ、土石流には川の水に必ず前兆現象が現れる。「川の水が濁った水が流れて来る」「川の中で石が転がっている音がする」「草木が腐ったような臭いがする」などだ。草木が腐ったにおいがするのは、今まで空気に触れていなかった土が剥がれた臭いで、事態が切迫している証拠で、すぐに避難しなければならない。

   「夜は川の濁り具合はわかりませんので、石の音や草木の臭いに注意することが大切です」(谷氏)

盛土の宅地造成地に多い危険個所

   都市部で危ないのはがけ崩れだ。とくに住宅地に危険個所が多い。「自分の住んでいる地域がどんな地層なのかをチェックしておいた方がいいですね。調べる手立ては各自治体が出しているホームページでハザードマップを見ればわかります」(谷氏)

   都市部や近郊住宅地ではコンクリートの擁壁で崖を覆っているところが多いはずだ。この擁壁が壊れて崖崩れが起きる。斜面を切り取って盛土にして擁壁で押さえている造成地は特にチェックが必要だ。

   「自宅近くの擁壁の点検は2つの事に注意して下さい。第一は擁壁の劣化や亀裂。膨らんでいたらとても危険な兆候です。第2には擁壁の水はけ用の排水口が詰まっていないかどうかです。排水口が詰まってしまうと盛土内の水が溜まって、水圧で擁壁を押し崩しますの」(谷氏)

(磯G)