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女性向けAVヒット中!「身近な優男」「クンニのアップ」「甘い言葉」「ゴム装着シーン」がお約束

高齢者の性の悩みで活況!読売新聞「身の上相談」の赤裸々告白

<「一人暮らしの90代の女性です。3年ほど前に、20歳近く年下の70代の男性と知り合いました。彼は『年の差なんて、関係ないよ』と言ってくれ、私もほっとして、おつきあいをするようになりました。互いの家も近く、一日に2度も来てくれるなど、楽しい日を過ごしていました」>

   これは今年9月16日(2013年)の『読売新聞』朝刊の人生相談コーナー「人生案内」に掲載された相談だと『週刊現代』が書いている。今週は週刊現代と『週刊ポスト』のセックス記事を読み比べてみよう。

   この人生案内は、大正3年(1914年)に始まった「身の上相談」が前身という長寿連載である。その伝統ある「人生案内」に性の相談が寄せられるようになったのは、02年2月2日に掲載された70歳の男性からの赤裸々な「セックスの悩み」がきっかけだったという。

<「69歳の妻は、夜になって私が関係を迫ると、『痛いから』といって拒み続けています。(中略)この8年間というもの、関係がまったくもてません。(中略)欲求不満がこうじて、不眠症になり、ノイローゼ気味です」>

   週刊現代によれば、<この相談は大反響を呼び、相談者の70歳男性に対して「同じことで悩んでいた」と共感する声や、「奥さんの気持ちも大切に」という批判まで多くの意見が寄せられた>という。

   その他に中高年のセックス告白や「勃起しても硬くならない人向き」「濡れにくい女性のとき」の体位など、内容は高齢者向けの性生活の知恵である。<やっぱりセックスは楽しく、気持ちいい。だからこそ生涯を通して探求していけるし、またそれだけの価値が、セックスにはある>と結んでいる。

英国・公共放送では「スタジオで本番」一般から選ばれた素人カップル

   週刊ポストのほうは「女たちが好きなアダルト・ビデオ」特集。まずはリードでこう書いている。<前号の『あなたの知らない妻の「秘密」』特集は大きな反響を呼んだ。中でも、過去1年間にオナニーをしていた女性の割合が、40代で74.1%、50代でも53.2%という数字は衝撃的だった。そして今、レディコミや官能小説と並び、彼女たちの格好の『オカズ』になっているのは女性向けアダルト・ビデオである>

   女性向けのAV最大手が「SILK LABO」という会社で、3000本売れれば大ヒットといわれるAV冬の時代に、1万本のセールを記録した作品もあるという。男優は「エロメン」と名付けられ、一徹、ムーミン、月野帯人は「エロメン三銃士」と呼ばれているそうだ。一徹主演のヒット作「Filled with you」(UNDRESS)はこういうストーリーである。

<約100分間で展開されるのは若い男女の遠距離恋愛ドラマ。地方に住む女が久しぶりに恋人に会うために上京する。恋人の男は車で東京駅に女を迎え、横浜にドライブし、オープンカフェでランチを食べ、観覧車に乗り、シティホテルに泊まる。
   窓際でロマンチックな夜景を眺めるうちにキスが始まり、ソファに移動して少しずつ服を脱がし、そのままセックス。 1回目のフィニッシュを迎えた後、お風呂でイチャつき、部屋でフルコースの食事をし、ベッドへ…。翌日、東京駅に恋人を送った男は車のハンドルにもたれかかり、寂しげな表情を浮かべる…>

   男性向けAVがストーリーよりも男の性欲の露骨な表現を重視してるのに対し、こうした作品は恋愛ドラマの体裁にこだわり、セックスに至る手順をきちんと描き、恋人同士の甘い雰囲気や女性が愛されている幸福感を強調するそうだ。したがって決まり事がある。

「男優は身近な優男」
「クンニをする男優をアップで映す」
「甘い言葉を多用し、淫語や言葉責めはナシ」
「『ハードキス』が基本」
「バキュームフェラはなし」
「顔射、潮吹きはNG」
「結合部のアップはなし」
「ゴム装着シーンが必須」

   あくまでも女性がしてほしいセックスに徹している。女性が感じるのはもちろんだが、男も結構興奮するそうである。

   英国の公共放送では「セックスボックス」という番組が始まったとも報じている。<スタジオに設置された3~4メートル四方のボックスの中で、カップルが放送中に実際に交わる。そして、箱の中でいかなる営みがなされたか、どんな快感を得たか―について、作家やセックスセラピストから質問を受けるという番組である>

   カップルたちはヤラセではなく、一般から選ばれた素人だというのだから驚くではないか。こうして見てくると、性に貪欲なのは女性たち、それに高齢者たちのようである。

   読み比べた結果、私は実用性もあり興奮度もちょっぴりある週刊ポストに軍配をあげたい。

イオン「週刊文春」に猛烈反撃!「産地偽装」記事に反論広告や1億6500万円請求

   先週号で『週刊文春』が「イオン」のおにぎり1500万食が産地偽装され、中国産米だったことが9月29日に発覚した問題を報じた。週刊文春の主張は、中国産米には「貴金属汚染・遺伝子組み換え米・農薬汚染・検査態勢の不備」などの問題があり、安心して食べられる代物ではないというものである。中国産米を国産米と偽って大量に販売していたのは三瀧商事という四日市市にある企業だが、偽装を見抜けなかった「イオン」側の検査態勢にも問題があったと批判した。

   「イオン」はもともと中国と縁が深く、中国にある店舗数は現在約50か所にのぼるという。2010年には全商品の8割を中国から仕入れているし、社長の弟・岡田克也衆院議員は「親中派」として知られると書いた。

   この記事に対する「イオン」側の怒りは凄まじかった。この号の週刊文春を全国の自社の売り場から撤去してしまったのだ。さらに「イオン」は記事内容に対して、HP上でこう見解を出した。「お客さまの食の安全・安心に対する不安をいたずらに助長するような報道、並びに当社に関する誤った報道は断じて容認できないものであり、発行元である株式会社文藝春秋に対して、当該雑誌の販売即時中止と回収、並びに謝罪を求めるとともに、断固たる措置をとってまいります」

   これだけではすまなかった。週刊文春撤去は自社グループの未来屋書店やコンビニにも及び、10月16日付、17日付の新聞に全15段の意見広告を出し、週刊文春の記事のどこがどう事実と異なると考えているかを発表した。タイトルの「『中国猛毒米』偽装 イオンの大罪を暴く」について、イオン側の見解は「三瀧商事による偽装に関し、猛毒に汚染された中国産米がイオンを通じて販売された事実はなく、農林水産省も『安全性に問題がある米穀が食用に流用されたという事実は確認されていない』と発表しております」としている。

   さらに、「イオン」は発行元の文藝春秋に対して、名誉毀損で1億6500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたのである。

   以前、週刊文春が「JR東日本革マル派問題」を取り上げたとき、JR東日本側は「キオスクでは週刊文春を取り扱わない」と全面戦争に入り、あえなく文芸春秋側が謝罪して終結したことがあった。そのとき、朝日新聞などにコメントを求められ、JR側のやり方は「言論封殺」で認めるわけにはいかない、JR側は言論には言論で反論すべきだと話した。

   イオンの意見広告は「言論には言論」でという私の主張と合っているし、名誉毀損訴訟も致し方ないであろう。だが、自社グループから週刊文春を排除してしまうのは「言論封殺」で、やってはいけないことである。「イオン」が今週号の週刊文春まで排除するという暴挙に出るなら、言論を力で弾圧する企業として、ブラック企業の最上位にランクされること間違いない。

福原愛ちゃん「父親の死」なぜ伏せねばならなかったか?1億4000万円の借金

   今週も週刊文春と『週刊新潮』はしつこく「みのもんた」を批判し続けている。週刊文春が「みのもんたを切れず『腫れ物に触る』収録現場」、週刊新潮が「自分も家族も『みのもんた』危急存亡の秋」である。どちらも『天皇』みのが番組を降ろされるかどうかについてあれこれ書いているが新味はない。もう十分に社会的な批判にさらされたのだから、あとは自身がどう判断するかだ。放っておけばいい。

   卓球の福原愛(24)の父親が亡くなっていたことをテレビのワイドショーで知った。いきなり福原がブログだかFAXで知らせてきたようだったが、亡くなったのはだいぶ前で、どうしてそんなに時間が経ってからと訝ったが、週刊新潮を読んで納得がいった。

   秋田県湯沢市には父親・武彦氏が役員を務めている旅館がある。地元旅館組合の関係者がこう語る。<「元々、武彦さんの実姉があの旅館の女将だったのです。それが縁で7年ほど前、旅館に『愛ちゃん卓球場』が併設されました。彼はその前後から管理人として働き始めて、3年前に役員に就任しています」>

   だが、すい臓がんにかかり10月6日に亡くなってしまったが、葬儀や通夜は行われなかったと別の組合関係者が話している。週刊新潮が愛ちゃんの母親が社長を務める「千秀企画」に確認をとっても、「初耳です。聞いていません」というばかり。だが、通夜・葬儀は行われていた。亡くなった直後、愛ちゃんと兄と母親が駆けつけ、卓球場で寝泊まりしていたという。

   だが、なぜか母親から「絶対伏せてほしい」といわれたのだという。ステージパパとして有名だった彼の死をなぜ隠すのか。スポーツ紙デスクがこう解説する。<「15年前、彼は愛ちゃんのCM出演料などを投じて作った会社を倒産させ、1億4000万円の借金を抱えました。奥さんとは離婚しましたが、未だに金銭問題はカタが付いていないと聞いています。それでトラブルを怖れた奥さんが、口止めしたのでしょう」>

   週刊新潮が出ることで、あわてて公表したというのが『真相』のようだ。あの愛らしい笑顔の裏に、両親の離婚や金銭問題、父親の死が隠されていたなんて知らなかった。ワイドショーではこうした裏事情は伝えてくれない。

   今週も『フライデー』の新聞広告を見る限り、読みたいと思う記事がない。いまさら「さすが!明石家さんまが週イチ密会する38歳下のSEXY女優」ではなあ。このお相手はフライデーの公式サイトによれば、ヌードルの紗倉まなだそうだ。頑張れフライデー。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか