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<ハクバノ王子サマ―純愛適齢期>(日本テレビ系)
最愛の人との出会いなんて現実にはない?優香32歳「等身大」で演じる「孤独と不安で破裂しそう」な崖っぷち女

   日本人の晩婚化、非婚化は今日もまたジリジリと進んでいる。そんな渦中にある32歳の女性を等身大で演じているのは優香だ。今まで優香はひたすら明るく元気、ハツラツとした前向きのお嬢さんといったキャラだったが、このドラマでは暗くてめったに笑わず、いいのはビールの飲みっぷりだけという崖っぷち女になっている。

   街を歩けば家族連れや夫婦連ればかり目につき、見回せば好い男はすでにみんな誰かのもの。考えると「孤独と不安で破裂しそう」になるのも当然だ。

   男にはわかるかどうか知らないが、女はいわゆる「花咲く乙女」の頃からこの種の不安を抱えているのだと思う。端的に言えば「将来、自分は結婚できるだろうか。自分を選んでくれる相手が見つかるだろうか」ということだ。常套句の「恋を夢見る」とか「白馬の王子様を待つ」とか、そんな浮ついたものではない。

女が物心つくころから抱く不安「わたし結婚できるかしら」

   女子高育ちの私は今でも思い出すことがある。高1の時、ある同級生と街を歩いていたら、彼女が言った。「あんな不細工なオバサンたちがみんな子供を連れて歩いてる。ということは結婚できたってことよねえ。それなら私たちもきっと結婚できるよねえ」

   自分がなんと答えたかは覚えていないが、ものすごくびっくりしたので記憶に残っている。なぜなら、彼女はクラスで一番勉強ができ、しかも背が高く、輝くような目をした美人で、街を歩く人はみな一瞬驚いたような顔で彼女に視線を止めずにいられないからだった。

   一緒に歩いている私がすぐわかるのに、本人が全然感じている様子がなく、しかも15歳なのに、もう結婚できるかどうかという不安が最大の関心事だということに、なんというか、いたく感動を覚えた。そして、彼女が大好きになったのだった。

結婚は相互の便益のために結ぶ契約である

   渦中にある女性で「結婚したいが相手がいない」という人がいたら言いたい。自然な出会いから恋愛に発展し、結婚にゴールインという順序を自明のものと思っているなら、その考えを改めた方がいい。無数の人間がいる中で、最適の人と自然に出会う確率など限りなくゼロに近い。さらに、こっちが恋をしても、相手が同じように思う確率は、まあ、どう見ても3割以下であろう。そしてそこから結婚に至るとなると、もう気が遠くなるほどだ。

   こんな「超難関」をほとんどの人間は突破できるはずがない。ということは、結婚している大多数の人間は、こんな「王道」を歩んだ結果ではないということだ。

   「結婚は相互の便益のために結ぶ契約である」という基本に立ち返り、「不自然な出会い」を考えてみるという手もある。戦前から雑誌には「嫁度(嫁したし=結婚したい)」という女側からの求婚広告がいっぱいだったのだ。もっとも親の仕業ではあったけど。

   ちなみに、知り合いの2人の女性は、31歳と35歳で結婚を決意して結婚サービスに登録し、それぞれ2か月と3か月で結婚を決めた。偶然、相手は両方とも医者だ。1人はこの秋に結婚したばかりだが、もう1人はすでに2人の子供に恵まれている。(木曜よる11時59分~)

(カモノ・ハシ)