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在コンゴ日本大使館火災―3等書記官の放火だった!「公金使い込みバレそう」

   警視庁はきのう2日(2013年12月)、コンゴ民主共和国の日本大使館3等書記官だった山田真也容疑者(30)を放火した疑いで逮捕した。大使館の公金2200万円が不明になっており、着服を隠蔽するために放火した疑いもあるとして調べている。

カジノ通いで同僚の外務省職員からも借金

   在コンゴ日本大使館が火災にあったのは今年6月20日夜だ。首都キンシャサのビルの3、4階にある大使館から火が出て220平方メートルを焼いた。山田が火災の2日前に台車で段ボールを運び込む姿と、直前に大使館を出る姿が防犯カメラに写っていた。焼けた室内からガソリン成分が検出された。

   大使館の中の事件は現地警察に捜査権がないため、警視庁が8月に捜査員を派遣して調べた。山田は大使館で会計を担当していて、火災のあと金庫にあった26万㌦(約2200万円)がなくなっているのがわかった。

   山田は2004年入省のノンキャリで、国内勤務、バンクーバー総領事館勤務を経て、昨年9月からコンゴの大使館勤務だった。大使館には大使以下職員9人、派遣職員4人(以上が日本人)、現地職員15人の小規模公館で、事実上、山田が1人で会計事務を仕切っていた。山田は事件のあと帰国していた。

   警視庁と外務省の調べに対し、いずれの容疑も否認しているが、複数の外務省職員から借金をしていたこと、コンゴのカジノへ出入りしていたことがわかっている。

小規模公館で起こりやすい金銭不祥事

   外務省の金をめぐる不祥事では、10年ほど前に在ソロモン大使館の会計担当書記官、在ネパール大使館の1等書記官などが処分を受けている。田中眞紀子外相時代の01年には、外交機密費の不正流用で職員が実刑判決を受ける使い込みが発覚、田中の「外務省は伏魔殿」という言葉がニュースになった。

   司会の羽鳥慎一「これが事実だとすると、証拠隠滅のために外交官が大使館に放火したということですかねえ」

   黒宮千香子レポーター「2200万円というお金が金庫にあったというのもびっくり」

   元外交官の評論家・小池政行氏は「金庫に2000万円は多すぎる。1000万円以上置いておくことは少ないですね。金の管理は大使、次席が見ることになっているが、書類だけだから、実際は担当者にしかわからない。会計担当が1人だと1人で全部できてしまいます」という。

   日本の在外公館は現在135だが、1991年には107だった。06年の第1次安倍内閣から急に数を増やしたという経緯がある。小池氏は「7割が小規模公館で、こういうことが起こりやすい体質を持っています。自殺、横領、賃料の不払いとか、表に出ない不祥事はたくさんあります」

   羽鳥「現場がどれだけ使命感をもって取り組むかということになりますね」

   小池「使命感をもって取り組む仕事もないところに、モノを作っちゃうからこうなる。拠点大使館を作る方が効率的がいいんです」