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小保方・釈明会見「未熟でした。ごめんなさい」で済むか?もう公開実験しかない

「私自身、STAP細胞はもう200回以上作製に成功しています」

   理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダー(30)は、きのう9日(2014年4月)の記者会見できっぱりと言い切った。しかし、そのことを証明する客観的なデータは示されなかった。信じたいという声もあるが、これでは信じようがないという声も強い。

「200回成功」ならすぐ証明できるはず…

   「あさチャン!」に毎日新聞編集委員の元村有希子氏が出演し解説した。井上貴博アナが聞く。「きのうの会見、ズバリ、どう映りましたか」

   元村「STAP細胞の研究を続けていきたいという強い思いはよくわかりました。反論の根拠を期待していましたが、不勉強や未熟さの謝罪のトーンに終始したのは残念でした。小保方さんは研究の独創性とか、研究をやり続けていく突破力はすばらしいと思いますが、論文として世の中に出していくスキルがあまりにも未熟でした」

   「200回成功」についても、それだけのスキルやコツがあるなら、公開実験をしたらいいのにという。小保方氏以外にも成功した第三者がいるといいながら、その人物の名前を明かさない。「私たちがほしいのは客観的な裏付けなんです。小保方さんの言い値ではなく、誰かに証明してもらうというところがほしいのに、その点は示されませんでした」と元村は話す。

   理研の報告書で改ざん、ねつ造とされた画像の取り扱いについて、疑いは払しょくできたのか。小保方氏は不勉強、不注意、未熟を強調して悪意はなかったと訴えたが、専門家の見方はクールだ。科学者・研究者の倫理問題に詳しい東京都市大学の北澤宏一学長は突放す。

「きのうの会見で小保方さんが言われたのは、通常、改ざん、ねつ造と判定されることを私はやりましたということでした。ただし、それは悪意ではなかったと。しかし、これであの論文は科学的にはまったく価値がないということが判明しましたので、あの論文そのものからSTAP細胞があるということにはならないわけです」

理研の研究費・人件費は税金―研究員としてふさわしいか

   論文の撤回について、小保方氏は結論の否定になるとして取り下げないと表明、今後もSTAP細胞が誰かの役に立つよう研究を進めていきたいと涙ながらに訴えたが、この点についても厳しい意見があった。研究の不正問題に詳しい東大医科学研究所の上昌広特任教授が引っ掛かったのは、小保方氏が繰り返した「不勉強」「未熟」という言葉だ。「研究は納税者の税金でやっているのです。未熟で研究の世界の初歩の初歩も知らない人が果たして理研の研究員にふさわしいのか」と疑問を投げかける。

   理研は不服申し立てを受け、再調査をするかどうか来週中に決めるという。司会の齋藤孝が元村に聞く。「小保方さんの研究者としての今後の立場はどうなりますか」

   元村「一から出直す気持ちでないと相当に厳しいと思います」

   STAP細胞作製成功の記者会見で見せた輝くような笑顔が戻ってくる日はあるのだろうか。