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「セウォル号」沈没までの船内映像!「みんな愛してます」「生きて会いましょう」

   韓国の客船セウォル号の沈没時の船内の模様を撮った携帯画像が見つかった。「本当に死ぬのかな」という生徒の声、「絶対に動かないように」という船内アナウンス。やがて「お母さん!」という悲痛な叫びに変わる。撮った女子高生は遺体で見つかった。沈没から2週間たったきょう30日(2014年4月)現在で死者205人、不明97人である。

船内アナウンス「動かないで待機」―大きく傾き「お母さん!お父さん!どうしよう」

   映像は韓国のSBSニュースが伝えた。はじめ生徒たちに緊張感はなく、傾いていく船室で「オレ、本当に死ぬのかな」「修学旅行、大変」などとおしゃべりをしている。その後、救命胴衣を身につけ、「お母さん、お父さん、どうしよう」。船内アナウンスが「現在の位置から絶対に動かないで待機してください」と告げる。しかし、その後はなんのアナウンスもなかった。映像は船が約20度傾いた午前9時8分に終わっていた。

   生徒たちは携帯のメッセージもやり取りをしていた。「船が傾いている」「facebookに載せると面白いだろう」「さっきより大丈夫になったみたい」

   まだのんびりしていたが、間もなく「救命胴衣を着て」「船長は何してるの」「どうか生き残れるように」「先生たちもみんな無事かな?」

   9時17分、傾きは40度以上になった。「みんな愛してます」「まだ大丈夫」「生きて会いましょう」

   この時間に退避のアナウンスがあり、ただちにデッキへ出ていれば、大方が助かったはずだ。しかし午前10時17分、 90度以上も傾いた船内から、高校生が「待ってだって。待てという放送の後に別の案内放送はありません」と発信していた。

救助艇に真っ先に乗り込む「下着・裸足の船長」

   最初の救助船が到達した午前9時半の映像もあった。セウォル号は45度近く傾いていたが、甲板にはまったく人影なし。上空にはヘリが2機ホバリングしている。船客は「動かないで」というアナウンスに従っていたのだ。

   接舷した船に男性が2人乗り移った。はじめに1等航海士、次いでなぜか下着姿で裸足の船長。さらに船員が何人か続く。みな操舵室からの脱出だった。乗客を船室に残したままである。

   すぐ脇にはずらりと救命ボートのカプセルが並んでいるが、救助隊員が足で蹴っても開かない。出港時には外さなければならないケーブルがかかったままだったのだ。ただ、ボートを降ろせたとしても、乗客はみな船内にいた。

   キャスターのテリー伊藤「救助側も操舵室から脱出したのが船員であることはわかったはず。だったら、乗客は何人でどうしたんだと聞かないといけない。家族にしたらたまんないと思いますよ」

   司会の加藤浩次「船の過積載がいわれ、安全管理もなし。複合的な事故です」

   テリー「生徒たちの多くが5階で見つかっている。そこまで逃げていってるんです。もう10分、15分早ければ助かったのにと、悔しい」

   高校生は325人いた。救助されたのは75人だ。朴槿恵大統領はきのう29日、高校の地元・安山市で行われた合同焼香に参列したが、遺族から「おい、この野郎、どのツラ下げて来てんだ」と罵声を浴びせられていた。