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水族館からラッコがいなくなる!?捕獲禁止や近親交配で全国に18頭だけ

   全国の水族館からラッコが消えるかもしれないという。20年前は国内で飼育されていたラッコは122頭いたが、いまは18頭しかいない。ラッコが初めて日本に来たのは1982年で、全国の水族館で飼育が始まったが、一時絶滅寸前になりラッコの捕獲が禁止され輸入されなくなったのだ。

地球温暖化でエサ少なくなったシャチの餌食

   なぜラッコは絶滅寸前にまで追い込まれたのか。「ラッコのいる海」の著者の吉川美代子TBS解説委員が説明した。「毛皮目当ての乱獲、タンカーの原油流出事故でもたくさんのラッコが死んでいます。いまは地球温暖化の影響でエサが少なくなり、それまでラッコを食べなかったシャチもラッコを食べるようになって絶滅の危機に瀕しました。また、飼育されているラッコに近親交配の弊害も出ています」

   病気になりやすかったり、生殖能力が低かったりして、数年に1頭しか生めなくなったりしているのだという。鳥羽水族館・石原良浩氏は「近親交配を避けるために、今後は繁殖を目的とした個体の貸し借りをしようと考えています」

   司会の夏目三久「ただ、繁殖年齢の15歳以下のメスのラッコは全国に7頭しかいません。そのため、神戸市にある須磨海浜水族園ではラッコの繁殖率を上げようとフンからホルモンを測定し、メスの発情期や繁殖の周期が分かる研究を進めています」

   出産数が少ないため、母親は育児の経験を積めず、子どもをうまく育てられないケースも出てきているという。