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危険ドラッグ工場摘発!中国産原料タライで混ぜ合わせ、パートのおばちゃんが袋詰め

   「脱法ハーブ」という名前では抜け道があるような印象なので、「危険ドラッグ」と呼び名が変わった正体不明の薬物の広がりが深刻だ。これらがどのように持ち込まれ製品化されているかの一部がわかってきた。中国から入った原料を製品にしていた工場が摘発された。けさ24日(2014年7月)の東京新聞の記事を紹介した。

東京・練馬区の住宅街の一角

   東海北陸厚生局麻薬取締部が石川・七尾市の男2人を麻薬取締法違反で逮捕した。2人は中国から輸入した原料から危険ドラッグを製造し、東京や兵庫の販売店に送って月に100万~200万円の利益をあげていた。輸入には国際郵便を利用していたが、中部国際空港で税関職員が発見した。

   また、産経新聞は警視庁が昨年11月(2013年)に摘発したドラッグ製造会社の実態を伝えている。工場は東京・練馬区の住宅街の一角にあるプレハブ小屋で、暴力団員の指南で中国から輸入した原料薬物をハーブなどと調合していた。全国30か所の店や卸業者に売って、月1億円以上を稼いでいた。

   プレハブ小屋では、プラスチックのたらいで原料の粉末と香料を水で混ぜ合わせ、乾燥ハーブに吹きかけていた。それを近くのマンションの一室に運び、パートの主婦らが袋詰めをしていた。彼らは捜査員に「分量は適当」と話しているという。

日本で規制しても中国は野放し!国際郵便で輸入

   使用の実態はよくわからないが、危険ドラッグでは山梨・都留市の少年(16)と女子高生(15)が薬事法違反の容疑で富士吉田署に逮捕された。きっかけは少年から警察署にかかった意味不明の電話だった。ドラッグの効果は強烈で、相次いだ交通事故でも吸引者はほとんど意識がない状態になっている。北区で起きた車の暴走で運転手が吸っていた薬物が、池袋で死傷事件を起こした薬物と同じとわかった。しかし、これはむしろ珍しい。危険ドラッグは千差万別で、共通しているのは原料が中国発ということだけだ。

   コメンテーターの水島宏明(法政大教授は「分量は適当というのを聞くと、中国の食品工場を笑えないが、危険なものが身近にあることを意識しないといけないですね」

   キャスターの齋藤孝「幻覚作用は覚せい剤よりずっと強いものもあるんですよね。ここで徹底的にたたく必要がある」

   井上貴博アナ「日本で規制をかけても、中国では規制がかかっていないために持ち込まれるわけです」

   水際が勝負というのはそのことだ。それにしても、薬物をいちいち特定して法律を作って規制というのでは追いつくまい。幻覚効果という方から網をかけることだってできそうなものだ。お役人が律儀なのは悪い事ではないのだが、どうものんびりしているように見えて仕方がない。