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新潟・暴行殺人鬼・喜納尚吾 連続犯行許したDNAデータベース化の遅れ

   新潟県新発田市で半年の間に3人の女性に性的暴行を加え、女性3人を殺害した疑いが濃厚の喜納尚吾容疑者(31)は、10年前にも生まれ育った沖縄・石垣島で婦女暴行未遂事件を起こしていたことが分かった。しかし、なぜ何件もの犯行を重ねるまで捕まらなかったのか。日本では犯人のDNAのデータベース化が遅れている。

半年間の間に「3人殺害」「3人暴行」

   喜納が新発田市内で起こし逮捕・起訴された犯行の手口は、いずれも女性が乗っている車に突然乗り込み襲うという荒っぽいものだった。最初は昨年8月2日(2013年)に30代の女性への性的暴行(起訴)、翌3日に10代の女性への性的暴行(起訴)と続き、11月22日には22歳のパート従業員を連れ去り殺害(逮捕)、12月6日に20代女性への暴行未遂(起訴)と4件ある。

   ほかに9月2日に焼死体で発見された女性の遺体から検出されたDNAが喜納と一致。さらに今年1月中旬に行方不明になった20代の女性が4月に遺体で発見されたが、この遺体から検出されたDNAも喜納と一致し事件の関与が濃厚になっている。

米国ではDNAインデックスシステムで再犯者を瞬時に割り出し

   6件とも喜納の犯行となれば、ほぼ1か月に1度の割で女子を襲い、うち半数を殺していた婦女暴行殺人鬼だ。ロバート・キャンベル(東京大教授)は再犯防止について次のように指摘している。「性的暴行事件は起きるたびに、防げたのではないかと思うんですよね。10年前に婦女暴行未遂で逮捕されているが、アメリカではこういう事件が起きた時は、必ず加害者か被害者の体から加害者のDNAを採取しデータベースに乗せ、DNAインデックスシステムで情報を共有しています。再犯者はシステムで瞬時に照合できるので捕まる。日本でなぜそれができないのでしょうかね」

   遅れているといってしまえばそれまでだが、データベースしておけばこの婦女暴行殺人鬼の2度目以降の犯行は防げたかもしれない。