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<エボラ出血熱>日本人感染は心配ないのか?WHO「未承認薬」OK!効果は未知数

   爆発的感染拡大が心配されるエボラ出血熱で、WHO(世界保健機関)は未承認薬の使用を認めた。死者急増に「状況から使用は倫理的」という異例の判断だ。それほど深刻な事態なのだが、今度は稀少で高価な薬を誰が使うのかといった問題が議論になりそうだ。

処方のアメリカ人感染者は症状改善

   エボラ出血熱の死者はわかっているだけでも1000人を超えた。スペイン人も亡くなり、ヨーロッパ人から初の死者が出た。

   未承認薬は富士フイルムの関連会社が開発したものなど、日本やアメリカで複数の薬が登場しつつある。実際にどこまで効くかはまだわからないが、アメリカで開発された新薬をリベリアで感染したアメリカ人に使ったところ、症状の改善効果が報告されたという。このため、「臨床試験を経ていない未承認薬の使用も早く認めるべきだ」との声が上がった。

   WHOはきのう12日(2014年8月)、各国の専門家による電話会議を開き、「エボラ出血熱の感染拡大の制御は困難」として、インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)などの条件を満たせば、「状況にかんがみて、未承認薬を使ってもよい」との判断を下した。

希少で高価…金持ちしか使えない?

   井上貴博アナ「それほどまでに打つ手がない切迫した状況です。ただ、問題もいくつかあります」

   薬の大量生産には数か月かかる。開発にコストがかさむので、新薬が完成しても高額になる。これまで未承認薬がアフリカの人に使われたことはない。新薬を誰に使うのかの医療倫理の問題も新たに議論になっている。

   誰だって助かりたい。命の価値に貧富の差はないはずだが、危険な流行病が映し出す世界の格差という現実も深刻なのだ。

   日本人に感染者が出ることも想定しておかなければならないはずだが、政府・厚生労働省は西アフリカに調査チームや医療チームを派遣した以外に、これといった動きが見られない。