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柴犬「こゆき」健気!酔っ払い運転に殺されたご主人…遺影の前で待ち続けて3年半

   酔っ払い運転に命を奪われた高校生のご主人を、3年半も待ちつづける柴犬がいる。毎夜、遺影を飾った仏壇の前にじっと座り続ける。飲酒運転根絶のCMにも登場して訴えるのは帰らぬ人への思いだ。スタジオ中がウルッときてしまった。

テレビのキャンペーンCM「STOP!!飲酒運転」で撲滅訴え

   犬の名前は「こゆき」。いま「STOP!!飲酒運転」の30秒CMに出演中だ。「こゆきからのメッセージです」と司会の夏目三久が紹介したのは、さびしそうなこゆきがご主人の姿を求めて、思い出の野原や池のほとりを探しまわる映像だった。

「思い出の場所を探しても見つかりません」
「大切な人が突然いなくなるということ。あなたは想像できますか」

   画面の文字と犬の静かな表情が呼びかける。

   16歳だった山本寛大さんは2011年2月、酔ったドライバーの車にはねられた。葬儀の翌日から、こゆきは遺影が飾られた仏壇の前を離れなくなった。夜はほとんどをここで過ごす。8年前にこの家にやって来てから、買い物でも夜のベッドでもいつも寛大さんと一緒だった。

   寛大さんの母・美也子さん(45)は「座布団が好きなのかと思い、座布団を移しても仏壇の前を離れません。お守りをしているみたいです」と話す。

16歳だった山本寛大さん。両親は「飲酒運転撲滅ステッカー」

   両親もこの3年間、寛大さんの死を無駄にするまいと飲酒運転撲滅の運動を進めてきた。美也子さんはハートをあしらったステッカーをデザインし、何万台ものトラックや自動販売機に貼ってきた。車いすアスリートの父・浩之さんも競技用の車いすに貼って根絶を訴えた。美也子さんは「根絶運動をするのが私と寛大との約束です。飲酒運転はやめようと声をかけられる当たり前の社会になればいいと思います」という。

   夏目三久「『悲しみを乗り越えて悲しみを想像すれば、飲酒運転をゼロにできるのでは』と美也子さんは話されていました」