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封じ込められるか「デング熱」代々木公園・周辺に感染蚊ウヨウヨ?

   東京・代々木公園の蚊によって感染が拡大しているデング熱の患者は4日(2014年9月)までに57人になった。東京都が2日に公園内10か所に設置した捕獲器のうち、4つからウイルスを持つ蚊が見つかっており、まだかなりの「感染蚊」が公園内にいるとみられる。都は公園敷地の8割にあたるA地区を4日から閉鎖するとともに、5日から蚊の捕獲器を20か所に増やしたり、殺虫剤による本格的な駆除を行っている。

専門家「感染規模はわかっている数倍かそれ以上」

   新たに感染が確認された人のなかには、代々木公園の中心から約800メートル離れた明治神宮に参拝に訪れた北海道の40代の女性がケースもあり、デングウイルスを保有した蚊の移動範囲が広がっている。

   都が閉鎖を決めたのはA地区だけ。隣接する野外ステージやイベント会場のあるB地区は閉鎖しない方針だし、デング熱感染蚊が存在するとみられる明治神宮は対象外にしている。感染症対策アドバイザーの高橋央医師は「検査を受けていない方も含め、本当は数倍かそれ以上の大きな感染が起こっていたと考えるのが妥当かもしれません。都は全力を挙げて明治神宮とか近隣の緑地帯における感染蚊の状況を調べてもらいたい」と警告する。

東京都は「感染蚊の寿命待つ作戦」

   東京都福祉保健局は「代々木公園だけやれば解決するということではないと思うが、まず代々木公園の対応ということを一義的に考えています」という。ウイルスを媒介するヒトスジシマカに寿命は40日ほど。公園内の駆除をしながら、とりあえず寿命が尽きるのを待つという方針のようだ。

   コメンテーターの香山リカ(精神科医)は「あんまり一般の方が神経質になり過ぎることもないと思います。デングウイルスを持つ蚊に刺されても、発症するのは9割から5割といわれているし、発症してもほとんどが数日で熱が下がって治るといわれていいますからね」と楽観視する。

   発症すると、数日とはいえ40度前後の発熱、関節痛、嘔吐などはかなりきついし、重症化すれば人によっては死に至るといわれている。全国的に患者が広がっている以上、防蚊対策をして刺されないよう注意するに越したことはない。