J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

『ズンズン運動』4か月の乳児死亡!NPO代表「私の施術が原因ではない」

   首をひねるなどズンズン運動といかいう施術の最中に生後4か月の男の乳児が呼吸停止状態になり死亡した。乳児が亡くなったのは今年6月(2014年)、大阪市内にあるNPO法人の事務所で、関係者によると「代表の女性が赤ちゃんを床の上にうつ伏せに寝かせ首をひねっていた。開始から45分後に呼吸が止まり、6日後に死亡した」という。解剖の結果、乳児の死因は脳に酸素が十分にいきわたらなくなる低酸素脳症による多臓器不全だった。

1回1時間1万円!赤ちゃんをゆすったりひねったり…

   NPO法人のホームページなどによると、ズンズン運動とは、1回1時間1万円で赤ちゃんの背筋や首のゆがみを直し、免疫力を高める施術という。ブログには実際に赤ちゃんが首をひねられている写真が何枚も掲載されている。

   4年前に代表の施術を受けた乳児の母親は「最初はゆするといいうよりもなでるという感じだったが、そのあと割と首をひねっていた。赤ちゃんは1時間泣きっぱなしだったが、たくさん酸素を吸うために泣いているといわれた」という。

   このズンズン運動はNPO法人(本部は新潟県上越市)の代表をしている女性が、長年子育てのアドバイスをしている経験から施術を編み出したもので、とくに資格などは持っていないという。

   大竹「呼吸が止まった理由についてどう考えてますか」

   代表「分からないです。(首を)ひねるということは絶対にしないです。首の大事さ、危険度は十分感じていますから。首をひねってあらぬ方向に向けたとか、自分が力を入れた向きを直させることはしないです」

   大竹「ズンズン運動をしている最中に息が止まったのではないんですか」

   代表「私の施術が原因で呼吸が止まったというふうには考えられません。ズンズン運動をすることで息が止まるわけではなくて、関係なく息がとまることがあるということです。医学的知識はないわけですし、わからないです」

これまでも救急搬送や死亡例

   のと小児科クリニックの能登信孝理事長は「過度な前屈もしくは伸展、さらに廻旋が伴って、脳の血流が低下する迷走神経の反射が強く起きた場合、心肺停止、呼吸停止のような状況が想定される」という。首は神経や血管が集まっており、ストレッチ運動で大人でも首を回すときはゆっくり慎重に回さないと危険がある。まして乳児ならなおさらだろう。

   上越市のNPO本部に隣接する家の主婦は、「3年前に救急車が来たので、出てきた母親にどうしたのか聞くと、『赤ちゃんの呼吸が止まってしまって病院に運ぶところだ』という話だった」と話している。昨年にも施術を受けた乳児が死亡していることが分かった。

   司会の加藤浩次「写真を見ると、ムリな動きですよね。これがムリな態勢でないなら、なんなんだと思いますよ。どう見ても首をひねっているとしか見えない」

   ロバート・キャンベル(東京大教授)「これを見ると、どうして子どもを預けるのかと思いますよ。やっていることは整体、からだにかなりの負担を与えており、免許がないとやれない。本来やるべきでないですよ」

   警察では業務上過失致死の疑いがあるとみて捜査しているが、それにしても何の医学的根拠もないのに安易にNPO法人として国が認可し、施術を認めているのはおかしくはないか。