どこか自分は偉そうにしているのかもしれない。マスコミで取り上げると宣伝効果はあるだろうから、取材を受けてもらえないことはないだろうという思い込みがあるのはたしかだ。なにも告発番組を企画しているわけではない。気軽な情報番組の中の一環で扱わせていただけないだろうかという思いで制作陣は取り組んでいる。だからほとんどはウエルカム状態で取材を引き受けて頂くことが多い。ところが、ごくたまに取材に対して全く協力的ではなくうとまれるケースがある。
以前も取材先の広報担当者の方に閉口したことがあったが、最近も似たような経験をした。ある企業にラジオ番組の取材依頼をしたところ、電話口で対応していただいた広報の方はこう言い放った。
「それ何の意味があるんですか。ラジオなんて聞いている人いるんですか。うちにとって効果はあるんですかねぇ。そちらさまのために時間を割いてやる必要性がちょっと見えないのですが」
カッチ~ン!相手がイラつきながらそう話すのを聞きながら、受話器を持つ手が怒りで震えてきた。ヤバい、このままだと感情的になってケンカ腰になってしまう。ここはぐっとこらえる。
「わたくしどもも素人でして、御社でどのように部署が分かれているのかは分からずにお電話してしまい申し訳ございません。今回の企画意図は...」
バカなふりして相手がどのように出てこられるのか様子をうかがってみる。するとたいてい対応がヒドい広報の方はこう答える。
「担当者もですね、かなり忙しい人間ですので、なかなか難しいかと思います。その人間にわざわざ取材のために調整してくれというのも、こちらとしてはなかなか言いにくくてですね」
あれっ?広報の方って会社の窓口で外部と会社内部をつないでくれるセクションではないのかしら。
取材に関しては、協力的でないところとやっていくのは効果的とは言えない。協力体制があってこそいい番組は生まれる。ということで、今回はこちらから取材依頼をしたが、後日お断りの電話を入れることになった。まあ、その時もグダグダと愚痴を言われたが、もう私の心がシャットアウトしているのであまり内容を覚えていない。
後日、その会社は大きな買収について記者会見を翌日に控えているような状態だったことが分かった。でも、そんなことは外部にはわかるはずもない。お願いだから普通に接してほしいと願う。
こういう対応をしてくださるのは多くが大手企業だ。それも業界最大手という会社ほどケースが似てくる。いまさら取材を受けたところで何もプラスはないし、「誰がトクするの?」状態なのだと思う。
いい気持ちはゼンゼンしないけど、ある意味これは戒めだ。取材させてもらえて当たり前だと思っているおごりを捨てること。世間からのマスゴミとも言われる存在であることを改めてかみしめること。おごらず相手の話を低姿勢で聞く心を持つこと。忘れちゃいかんですな。
モジョっこ