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神戸・美玲ちゃん不明―目撃証言多いのになぜか写っていない防犯カメラ

   神戸・長田区の小学1年生の生田美玲ちゃん(6)が不明になっている事件で、きのう17日(2014年9月)に新たな目撃証言があったが、足どりをつかむまでの手がかりにはなっていない。この地域は空き家・空き部屋が多く、警察は250人態勢で空き家のローラー作戦を実施している。

59台の地域カメラ映像のうち1か所だけ

   美玲ちゃんの足どりはまことに奇妙だ。11日午後3時ごろに帰宅して、ぬいぐるみ付きのリュックを背負って日傘をさして外出した。3時15分に400メートルほど離れたコンビニの防犯カメラに1人で歩く姿が写っていた。しかし、地域にある58台の防犯カメラを調べても、写っていたのはここだけだった。以後は全部目撃証言ばかりだ。

   コンビニ近くの友だちのマンションに3時30分、自宅近くの幼稚園に4時30分、交番前の階段で5時ころ。そして交番から450メートル離れた大丸山公園で5時30分ころ。きのうになって、公園から坂道を120メートル下った高校のグラウンド脇にいるのを同級生が目撃していたことがわかった。自宅からは反対方向、通っている小学校の校区外だった。学校は校区の外へは出ないように指導していたという。なぜそんなところへいったのかはナゾだ。

   リポーターの井口成人がその時間帯の現場を歩くと、下校する高校生でいっぱいだった。美玲ちゃんがその後どっちへいったのかはわからない。校区内を南へ北へと移動して目撃されていながら、この間の姿がなぜ防犯カメラに写っていないのか。まるでカメラを避けているかのようで、どういう経路で移動したのかがまったくわからない。

近辺に目立つ空き家・空き部屋

   長田署はきのう、これまでで最多の265人を動員して捜索・聞き込みを進めたが、重点のひとつが空き家だった。長田は阪神淡路大震災で中心部は火災で壊滅、13万人だった人口は9万人に減っている。空き家率は18%にもなる。5軒に1軒が住んでいない。

   中心部に比べるとこの地域は被害が少なかったとはいえ、廃屋やアパートの空き部屋は確かに多い。立派な1戸建て住宅がすっぽりとツタに覆われていたり、門扉が閉まったままだったりする。美玲ちゃんが監禁されている可能性は大いにある。警察は1軒1軒をのぞいて回った。建設中の住宅にも首を突っ込む念の入れようだ。

   きょうは不明になった木曜日で、警察は最後の目撃地点を中心に同じ時刻に聞き込みを展開するという。玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は「この1年くらいで、行方不明のあと保護された例がいくつもあります。もし連れ去りだとしたら、メディアも含めて地域全体で追い詰めていく必要がありますよね」という。兵庫県警・長田署の通報電話番号は「078・578・0110」