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女性閣僚ダブル辞任!安倍首相よぎった『あの悪夢』ドミノ倒しで政権崩壊

   第2次安倍改造内閣の目玉だった小渕優子経産相と松島みどり法相がきのう20日(2014年10月)にダブルで辞任した。野党の追及のタネをまとめて切って捨てたのは、閣僚辞任のドミノ倒しで崩壊した第1次安倍内閣の二の舞いを避けるためだ。それだけ危機感は強かった。

地元群馬の町長が引責辞任の奇異

   小渕のケースは、後援会が主催した観劇会バスツアーの費用肩代わりが公職選挙法上の寄付、買収にあたるとみられるが、辞任会見で参加者は参加費をきちんと払っていたが、それが政治資金収支報告書に正しく記載されていなかったと弁明した。これは政治資金規正法の虚偽記載にあたる。記載の差額は2000万円を超えるのだから相当ずさんな報告書だった。金の本当の行方は別なのではないかという話にもなりかねない。

   大量注文の「下仁田ねぎ」は県外の支援者への贈品であるとした。この報告書作成責任者であった群馬県中之条町の折田謙一郎町長(小渕の父・恵三の元秘書)が「責任は私にある」と町長辞任を表明したのも奇異な印象だ。要するに、これらの詳細を小渕はほとんど知らなかった。しかし、責任は負うというのだ。それは当然として、こうした観劇会や贈品は恵三時代から元秘書たちによって変わらず続けられていた。観劇会の参加者が2000人と小渕は報告したが、これが政治家を支える実態、日本の政治のお寒い姿を示していた。

   一方、松島みどり法相のケースは、支持者に名前の入ったうちわやカレンダーを配ったのがやはり寄付や買収にあたるという疑惑だった。松島は国会で「うちわの形はしているが討論資料だ」「価値ある物品ではない。使い捨てものの」と珍妙な答弁を続けていた。それはそうだろう。いまどきうちわ1本で買収されたと感ずる人がいたらその方がよっぽどおかしい。公選法は明治時代に「選挙に出る者は悪いこと をするものだ」という性悪説に立って作られ、基本はそのままだ。規定の方がズレているといっていい。

   民主党はこれを寄付行為にあたるとして東京地検に告発して安倍政権に揺さぶりをかけた。これで安倍首相は小渕とのダブルで辞任を説得したようだ。辞める気はなかった松島は会見で「お世話になった安倍内閣の足を引っ張ることはできない」と語った。

2人一緒なら政権ダメージ小さい...小渕経産相は『辞任』、松島法相は『更迭』

   司会の小倉智昭「自ら辞任した小渕さんと半ば更迭に近い松島さん。対照的でしたね」

   田﨑史郎(時事通信解説委員)「小渕さんを見ていて気の毒でしたね。お金の差額を誰かが抜いたんじゃないかという話ですから」

   小倉「ダブルになったのは?」

   田﨑「なったんじゃなくて、したんです。小渕氏の次は松島氏になるとわかっていたので、官邸が説得した。2人一緒の方が政権へのダメージは少ないですからね。松島氏が3か月後に辞めると、第1次政権の時と同じになってしまう」

   そういうことだった。