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アジア大会水泳・冨田尚哉カメラ盗難否定「認めないと帰国させないといわれた」

   韓国・仁川のアジア大会で高級カメラを盗んだとして逮捕された水泳の冨田尚弥選手(25)が、一転して犯行を否定した。「認めないと日本へ帰さないと言われた」ときのう30日(2014年10月)に代理人の國田武二郎弁護士が明らかにした。冨田は来週、記者会見を開き自ら説明して再捜査を求めるという。

不鮮明な防犯カメラ映像

   冨田はアジア大会で100メートル平泳ぎで4位に入賞したが、その会場で韓国通信社のカメラを盗んだ疑いで逮捕され、容疑を認めた形で略式起訴されて約10万円の罰金を払った。示談も成立し、帰国の際は「お騒がせして申し訳ございませんでした」と神妙に頭を下げていた。日本水泳連盟は冨田を16年3月まで選手登録禁止の出場停止処分にした。

   「やっていない」と否定した冨田は、韓国ではきちんと話す機会を与えられず、きちんとした取り調べも受けられなかったという。最初から犯人扱いで、通訳の日本語もたどたどしく言い分を伝えられなかった。「認めないなら、韓国に残されるかもしれない」と言われ、日本に帰れない雰囲気にパニックになってしまったという。

   一方、韓国の捜査当局は防犯カメラ2台に冨田選手が映っていたと主張している。日本チームのユニホームを着た男が手提げ袋にカメラを入れようとして入りきらず、レンズを外して本体だけを入れ、さらに袋を洋服の中に隠して立ち去る20から30分間の映像だという。これを日本選手団の関係者に見せて冨田選手とわかったとしている。

   しかし、冨田が見せられた映像は、記者席に座る自分らしい人物が小さく写っていただけ。画面が粗く何をしているのかも確認できなかったと國田弁護士は話した。「肝心の、盗んだ瞬間は映っていなかったと(冨田選手は)言っています」

韓国警察当局に再捜査要請

   カメラが冨田の部屋から見つかったとされる点も、冨田は迷彩色のズボンをはいたアジア系の男が自分のバックに何かを入れたという。そのときは怖くて声をかけられず、部屋に戻ってからカメラとわかったが、いらないのかと思い、そのままにしたと主張している。

   韓国の捜査当局者は「われわれは敏感に反応しない。映像を公開するかもしれない」と再捜査には否定的だ。

   キャスターのテリー伊藤「韓国の警察が映像を提供し、はっきりすれば難しい問題ではないですよ」

   コメンテーターの香山リカ(精神科医)「日韓の関係は今でも感情的によくないので、あまりおおごとにせず、事実を淡々とはっきりさせてほしいですね」