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埼玉・所沢「育休退園」母親ら提訴!市長「子どもは保育園より母親といたいはず」

   埼玉県所沢市で今年(2015年)4月からスタートした保育園からの育休退園制度が物議をかもしている。第2子が産まれて育休をとると、保育園に通っている上の子が0歳から2歳なら退園しなければならない。「それはおかしい」と、対象の母親ら11人がきのう25日(2015年6月)に所沢市を児童福祉法違反で提訴した。

   退園で空いた分は待機児童のためにあてるというのだが、そもそもの保育園不足から始まったなんとも切ない騒動だ。

平塚、静岡、熊本など5市で実施。八千代市、鎌倉市は反発強く廃止

   提訴の母親らには今年3月から通知が届き始めた。「これでは安心して働けない」「おかしいと思います」「子どもにどう説明したらいいかわかりません」と、なかには涙声で訴える人もいた。

   所沢市長は「子どもが保育園にいたいと思っているかどうかというと、そうではない。子どもに聞けば、お母さんと過ごしたいと言うだろう」と話す。市内に保育園に入れない待機児童は20人いる。その解消策でもある。こうした制度は、ほかにも平塚、静岡、堺、岡山、熊本の5市で実施されている。八千代市と鎌倉市は反発が強まり廃止した。

   所沢市からおととい24日に6月いっぱいで退園の通知を受けとった母親は、「あまりに急」と戸惑いを隠せない。退園する上の子は2歳半だという。「説明しても、子どもは理解できないでいます。かわいそうで不安です」という。

保育園「待機児童多く、再入園保証できない」

   育休明けに保育園に戻れる保証がない点も問題だ。所沢市は入園チェックの際に加点するというが、再入園できるとは限らない。市内の保育園長は「待機児童がいるので定員はすぐ埋まる。再入園の保証はありません。待機児童のことを考えると、何とも言えないですね」

   司会の加藤浩次「どちらも自分を主張するとぶつかる。保育園数の根本的な問題がありますね。そこで働く人の賃金のこともある」

   菊池幸夫(弁護士)「でかい競技場をつくる金があったら、保育園をつくればいい。それにしても急すぎる措置です」

   まったくだ。