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テレビ局制作現場の制服「ポロシャツにチノパン」スーツ・ネクタイじゃ仕事にならん

   暑いこの夏、街で見かける男性が不憫でならない。クールビズが提唱されてから今年で10年になるのに、いまだに長袖ワイシャツにネクタイ締めてスーツ姿の男性が少なくない。背中に汗でべったりワイシャツがひっつき、汗の塩で白くなっているスーツを室内でムリして着ているのを見ると、周りも不快だ。本人は暑いうえに周りからも嫌がられるとは、お気の毒様である。

   その点、放送局の制作現場の男性たちは気が楽だろうな。スーツを着ている人は本当に少ない。多くのサラリーマンの制服ファッションがスーツだとすれば、制作現場の男性のそれはポロシャツにチノパンだ。基本はこのファッションで、少し年齢が高い50代はポロシャツがワイシャツにチェンジする。社会的にも、この人はサラリーマンなんだと認識されやすいかたちになる。

   逆に20代、30代はポロシャツがTシャツに、チノパンがジーンズになる。大学生と大差なく、「いい年しているのに、あんな格好をしていて何の仕事をしてる人なんだろ?」とご近所さんから不思議に思われそうな感じだ。不規則な生活が続く仕事柄、ラフな服装が一番だと、これが制服のようになってくる。

実力派に多い自己主張型びっくりファッション

   そんな中にも突出したファッションの男性がどの局にもかならずいる。プロデューサーやディレクターは芸能人に顔を覚えてもらってナンボ。僕を覚えてください、見てくださいと嫌でも目に入ってくるような自己主張型ファッションの人たちだ。

   茶髪でオラオラ系ブランドのファッションに身を固め、アイ・ラブ・ビーチという歩く看板のような40代後半、サラサラロングヘアに厚底ブーツで周囲に好きな音楽のジャンルをアピールしているような50代、金髪に年中アロハ姿の40代前半など、かなり目立つ。

   これは男女問わずで、毎日ミニスカにピンヒールの女性、年中帽子をかぶっている男性(こういう人にかぎって薄毛ではない)、ノーメイクに男装スタイルの女性、薄くメイクやブラジャーを付けている男性だっている。個性重視派で、オシャレというより自己主張型サラリーマンでおもしろい。ちなみに、このタイプのプロデューサー、ディレクターは有名番組で一旗あげる実力派だ。

スタッフがオシャレ揃いの某FM局。服装まるで無頓着のAM局

   ところが、先日、スタッフがほぼほぼオシャレ揃いという現場を発見し驚いた。某FM局で、やっぱりオシャレな音楽を提供するのにポロシャツ・チノパンはカッコ悪いのかな。見渡してみると、雑誌OCEANを愛読していますといったようなおっさん揃いなのだ。

   役職が上の方でもさりげなく(ここ重要。ボクを覚えて、見てちょーだい的なサイズ感とは違う)ピアスをしていたり、夏場はハーフパンツ。ツバが広いハットにアクセサリーをジャラジャラつけているお兄さんもいたりする。みなさんスタイリストさんですかと聞きたくなるぐらい、オシャレにぬかりがない。出入りするこちらもオシャレしていかないと小馬鹿にされそうで、FM局で打ち合わせがある日は準備に時間がかかってイライラしてくる。

   これがAMラジオ局になると、このタイプの方はいらっしゃらない。むしろ「靴に穴あいてますよ」「Tシャツにカレーのシミがついてますよ」とコチラが恥ずかしくなるぐらい気を使わない人が大半だ。こういうタイプの方が多い職場だと、自己主張型ファッションのスタッフはすぐ目立つことができるだろうけれど、オシャレさん揃いの職場だと、どうなるのだろう。逆に無頓着な服装をあえてすることで目立つのだろうか。うむ、スーツ着用がない現場もそれはそれで大変なことも多いのである。

モジョっこ