J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

JSCどさくさまぎれに巨大ビル着々建設!白紙撤回された「新国立」敷地内

   ズサンな新国立競技場の建設計画について日本スポーツ振興センター(JSC)の責任が問われている裏側で、税金を投入してJSCが入居する巨大ビルの建設計画が着々と進められていることが明らかになった。このビルは新国立競技場の予定地になっている敷地内に建てられる解体中の財団法人「日本青年館」のビルだ。

   建設費は約164億円で、3万2000平方メートルの敷地に地上16階、地下2階、高さ70メートルのビルを建てる。用途は日本青年館が管理・運営する劇場(1250席)、ホテル(客室220)が主体で、うち3フロアをJSCが使うことになっている。

建設費約164億円、地上16階、地下2階、高さ70メートル

   この計画について、10日(2015年8月)の参院予算委員会で民主党の蓮舫議員が「国立競技場の旧計画が白紙撤回なのに、なんでこの計画が白紙じゃないんですか」と厳しく追及した。文部科学省やJSCの河野一郎理事長が渋々答えたところによると、164億円のうち118億円は日本青年館が持ち、残る約47億円がJSCの負担。約47億円の内訳は、税金およびスポーツ振興くじ(toto)の売り上げという。

   蓮舫議員は「誰も責任を取らないで、一方で47億円の税金を使って自分たちの新しいオフィスを作るなんていうことに、国民は納得すると思いますか。計画を白紙に戻すべきです」と迫ったが、JSCは「今のところ見直しの計画はない」と惚けた。

邪魔だ!隣接の都営アパートの高齢者は立ち退き

   2016年の東京五輪の招致に携わった鈴木知幸・順天堂大客員教授(スポーツ行政専門)はこう切り捨てた。「JSCが注ぎ込む47億円は極めて遺憾だと思います。JSCは打ち出の小槌のようにtotoの大金使い、全国のスポーツ振興費を食っている。新国立競技場とJSC本部はセットになっており、計画を見直して新しくできる新国立競技場の中に入ればいい」

   青木理(ジャーナリスト)はさらに手厳しい。「もっとひどいのは、自分たちが入るビルはとてつもなく大きいのに、国立競技場を作るということで高齢者が住んでいるのに立ち退きを迫って、都営アパートを壊している。こんな悪政が世の中にあるのかと思いますよ。それならそのお金で都営アパートを建て替えるべきだろう」

   JSCは元は学校の安全と給食を扱っていた文科省の天下り組織。そこへtoto を扱うようになって組織は肥大化し、同時に巨額な金が入るようになった。新国立競技場のズサンな計画も元は文科省やJSCの当事者能力の欠如が発端である。totoで大金を扱うようになりズサンになったのではないか。JSCなど民間に任せた方がいい。