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鬼怒川・堤防なぜ切れた?「3つの要因重なり最悪状態に」(専門家)

   鬼怒川の氾濫によって11日(2015年9月)午前9時)の時点でわかっている行方不明者は12人、さらに救助を待っている人が690人確認されている。氾濫はどのようにして起きたのか。堤防が決壊したのは茨城県常総市の三坂という地区で、その北側の若宮戸地区では水が堤防を越える越水で住宅地に流れ込んだ。浸水のエリアはかなり広い。

   森本さやかアナ「越水の地点から川の東側に一気に水が流れました。このあたりではおよそ6500棟が浸水したということです。越水地点から浸水の南端まで16キロあります。これからどうやって復興していくのか、問題は山積みです」

「カーブ」「雨で吸って崩れやすい堤」「記録的な降雨量」

   鬼怒川は栃木から茨城まで長く流れているのに、なぜこの地点で決壊してしまったのか。京都大学名誉教授の今本博健氏によると、次の3つが重なったからだという。(1)川がカーブしているところに水が集中してしまう(2)堤防が土でできているため水を含み強度がなくなった。(3)記録的な降水量。

   森本「たしかに、決壊しているところを見ると、ここ(三坂地区)でグッと曲がっています。大量の水が流れてくるところで、カーブがありますので、ここの堤防にどんどん水が当たって耐えきれずに決壊してしまったということです」

自然環境の変化に追い付けない治水

   降水量については、栃木の五十里で551ミリ、今市で541ミリ、鹿沼が444ミリだった。

「鬼怒川の周辺、しかもダムのある地区でこんなに降っています。ダムの貯水率もいっぱいになって、水も放水しなければならない。さまざまなことがあって、常総市の堤防にぶつかっていったということです」(森本)

   司会の小倉智昭「川の歴史をひもとくと、最初は真っ直ぐだったものがだんだん蛇行していくっていうのは、弱いところが侵食されていって流れが変わっていくということですよね」

   ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)「それによって氾濫原というのも再定義しなければいけないし、危険地域の調査っていうのもし直さなければならないと思います。そういうことが自然環境のスピードに追い付かないということもありますね」

ビレッジマン