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なんだそりゃ~「週刊文春」編集長が突然の休養!春画グラビアごときがいまどき猥褻か

   10月9日(2015年)付の朝日新聞朝刊にこのような記事が出た。<春画に関する記事掲載をめぐり、「週刊文春」の新谷学編集長が3カ月間休養することが8日、わかった。朝日新聞の取材に対し、文芸春秋は、週刊文春10月8日号(10月1日発売)に掲載されたグラビア記事をめぐり、「編集上の配慮を欠いた点があり、休養させる対応を取った」と説明している。

   東京都文京区の「永青文庫」で開催中の「春画展」を紹介する記事で計3作品をカラーで掲載。同社は「読者の皆様の信頼を裏切ることになったと判断した。読者の視線に立って週刊文春を見直し、今後の編集に生かしてもらうこととした」とコメントした>

   なんだそりゃ~というのが正直な感想である。先週のこの欄で、週刊文春が「空前のブーム到来」だと後半のカラーページまで使って春画特集をしていることを取り上げ、「刑法175条のワイセツ基準は何ら変わってないにもかかわらず、ヘア・ヌードという言葉が時代を動かし、今では春画までが週刊文春のグラビアページを飾るようになった。今昔の感である」と書いた。

   桜田門(警視庁)から何かいってきたのか。文藝春秋社内の上のほうから礫が飛んできたのか。「読者の視点に立ち」とあるから、読者からクレームが来たのだろうか。いずれにしても週刊文春・新谷編集長はなぜ休養させられなければいけないのか、まったく理解できない。どこの週刊誌にも春画などいくらでも掲載されている。芸術としての評価は定まっているのだ。

   朝日新聞の同じ紙面で作家の瀬戸内寂聴氏が永青文庫の春画展に触れ、小説家になってから外国で多くの春画を見て、「その芸術性に圧倒された。それはわいせつ感などを圧倒するほどの芸術価値に輝いていた」と書いている。

   文藝春秋は春画を掲載した編集長を休養させた理由を説明する責任がある。春画は猥褻だからか。一部の朝日新聞的な読者のクレームに怯えたからか。少し前に百田尚樹氏の「純愛」について、連載をしている林真理子氏からクレームがついたときも、百田氏にいい訳をさせただけで文春編集部は何も答えなかった。今回も沈黙するようならジャ-ナリズムの看板を下ろしたほうがいい。

抱腹絶倒!全国の僧侶が愛読する月刊誌!寺院詐欺からDV・ストーカーまでスクープ満載

   話はガラッと変わる。全国の僧侶の4人に1人が読んでいるという業界ナンバーワン雑誌があると『週刊ポスト』が報じている。今年で創刊41周年を迎えた『月刊住職』(興山舎刊)だ。この雑誌の評判は以前から聞いてはいたが未読である。

   「寺院実務情報誌」を謳っているが、その内容は実にジャーナリスティックだという。住職の痴情のもつれから寺院の詐欺事件まで、ディープな情報を掲載し、話題を呼んでいるそうだ。編集長は矢澤澄道氏で「全国で6万人といわれる住職の4人に1人が読んでくださっています」とのこと。毎月1日発売、年間購読料は1万5000円。

   内容が凄い! 衝撃のスクープと銘打った「開運詐欺に複数の伝統仏教寺院や住職が加担しているのは本当か!?」(8月号)では、複数の真言宗系寺院が開運詐欺商法グループと結託し、先祖供養料名目などで一般人にカネを振り込ませたという疑惑を報じた。または住職や僧侶が起こしたDV、ストーカー事件を取り上げ、宗派ごとの対応を詳報するなど重厚な調査報道が少なくないそうである。

   <住職の実生活に根ざした記事も多い。「全国多数の月収10万円以下極貧寺院の住職はいかに生きてるか」(7月号)では、全国の寺院の3割が年収100万円以下である事実を紹介。

   檀家からのいただきもので毎食を済ませ、冷暖房をつけずに月8万円で暮らす専業住職の極貧生活を伝えた。「下流住職」ルポといったところか>(週刊ポスト)

   また婚活情報もある。

   <「お寺の将来も左右する結婚支援活動を必ず成功させる実践に学ぼう」(6月号)では、全国の寺院を舞台にした「婚活」を紹介。結婚を希望する男女の参加者が本堂に集い、良縁を願って般若心経を唱え、青年僧が引磬(いんきん)を「チーン」と鳴らすと席替えをする「寺コン」の模様をルポした。

   檀家減少に悩む住職が人集めのため、帽子から鳩を取り出すマジックを本堂で披露する姿や、檀家をもてなすイタリアン精進料理のレシピなど、寺と地域住民の繋がりを回復させるユニークな取り組みも常に紹介している>(同)

   「美坊主」などという写真集が売れていると話題になったが、そうしたモテモテ坊主はごくごく希なのであろう。

   同誌が最近関心を寄せているテーマが「住職の高齢化」だそうだ。<「これまで住職は『終身』とされていたが、高齢化で『住職の引退』が当たり前になった。最近は引退後に住職が迎える第二の人生や、死者を送る立場の住職が自身のがんなどとどう向き合うかなど、切実なテーマを積極的に取り上げています」(矢澤氏)>

   週刊誌の諸君、こういう雑誌を購読しなければ世の中は見えませんよ。

石田純一がんばれ!国会前デモで仕事次々キャンセル、CM企業からは圧力

   芸能ネタを3本。爆笑問題の田中裕二(50)と山口もえ(38)の子連れ再婚は、それぞれにトラウマを抱えたものだと週刊文春が報じている。ともにバツイチ。田中は6年前に9年連れ添った相手と離婚しているが「原因は妻の不貞。浮気相手の子供を妊娠したことを聞かされるという,想像もしたくない修羅場を経験した」(スポーツ紙芸能担当記者)。だが田中は、離婚の原因はすべて自分にあると相手を責めなかったという。

   山口のほうもIT系企業の社長と結婚したが4年前に離婚。2人の子供がいる。2年半前から交際が始まり、トラウマを抱えた2人だからこそ絆を深めることになったと週刊文春は見ている。お幸せに。

   「不倫は文化」ならぬ「戦争は文化じゃない」と国会前の安保反対デモで雄叫びを上げ、注目された石田純一(61)だが、『週刊新潮』によればその「後遺症」は深刻だという。

   <テレビ番組を3つキャンセルされました。35年の芸能生活で、こんなのは初めてです。CMもひとつなくなったし、広告代理店を通して、厳重注意も2、3社から受けました。『二度と国会議事堂にデモに行くな』『メディアの前で政治的発言をするな』ってね。でも、世の中のためになることをやりたいと思っているので、『それは受けられない』って回答しました」(石田)>

   その言やよし。テレビや広告の世界は、共産党万歳と叫んで干された前田武彦の時のようなことをまだやっているのか。石田さん、今度の参議院選に出てはどうかな。テレビや広告会社は揉み手をして擦り寄ってくるぞ。

   週刊新潮はイケメン俳優の妻夫木聡が、自宅にメンズエステの女性を呼んでは、「オプションないんですか?」と『いけない要求』を度々していると報じている。アロマオイルを使ったリンパマッサージ、120分2万円のコースを利用するそうだが、「女性が紙パンツの中に手を入れ、男性自身の周りや根元をマッサージするものですから」(店の関係者)、大半の男性はその時点でギンギンになってしまうという。

   店では性的サービスは禁止しているが、妻夫木は<「『追加料金も払うのでどうですか?』と結構、粘るみたい。抱きつかれた子もいるようです」(女性スタッフの一人)>

   ハーフのタレント・マイコとゴールインするといわれている妻夫木だが、外にだって相手をする女性はいるだろうに、どうしてエステの女性にお願いしなくてはいけないのか。それもそんな行為を女の子に暴露されるなんて、よほど嫌な行為を迫ったのだろうか。

間に合わなかった川島なお美「ヌードグラビア」準備中だった週刊ポスト

   【蛇足】先日惜しまれて亡くなった川島なお美だが、週刊ポストが絶好のタイミングで川島のヌードを掲載している。それも袋とじで。川島は生前、今年の11月に20年ぶりになるライブを予定していたそうだ。それを盛り上げるために、週刊ポストは彼女のヌードグラビアを掲載しようと用意していた。

   <彼女自身が、今でも大好きなカットを選んだ。最後までドラマティックだったその生涯。彼女が残したこの美しい姿をいつまでも心に刻み続けたい・・・>(週刊ポスト)

   33歳の川島なお美。決して豊満なカラダではないが、男ならそっと抱き寄せて朝まで一緒に肌を合わせていたい、そんな女性であろう。

   私が『フライデー』『週刊現代』の編集長のとき、「ヌードはニュースである」と中吊りや新聞広告に謳っていた。たまたまではあろうが、他誌が歯がみして悔しがったであろう川島なお美のグラビアは、まだまだ「ヌードはニュース」であることを思い起こさせてくれた。これなら450円は高くない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか