ノーベル平和賞に対抗してか、「孔子平和賞」という賞が中国にあり、6回目の今年(2015年)はアフリカのジンバブエのムガベ大統領が選ばれた。候補には日本人の政治家も上がり、ムガべ大統領と村山富市元首相(91)が最終的に絞られたが、村山氏は「健康上の理由で授賞式に参加できない」として辞退した。
「モーニングショー」のスタッフが大分の村山氏の自宅を訪ねた。社民党を通じて打診があったそうだ。だが、「俺は身体が悪いからね、中国に行けないとお断りをしてくれと、そう言ったんじゃ。孔子さんは有名な人だから受け取っていいと思ったが、僕はそれに値するのか、よくわからんしね。なんで俺なのか、戸惑ったよ」と話す。
司会の羽鳥慎一「私も知らなかったのですが。政治的な思惑でできたのでしょうか」
青木理(ジャーナリスト)「そうでしょうね。そうした意図があるのでしょう」
野村慎平アナによると、中国の民間団体が主催して2010年に創設された。同じ年に人権活動家、劉暁波氏がノーベル賞を授賞されたことに反発して対抗したとみられている。
授賞式は12月9日(2015年)に北京で開催される。記念品は孔子の金メッキ彫像、メダルと賞金もある。2010年は約190万円だったが、12年には約1億8000万円と大幅に跳ね上がった。
羽鳥「ずい分上がりましたね」
野村「なぜ上がったのか、わからないんですよ」
キャスターの宇賀なつみ「ますます怪しいですね」
青木「ノーベル賞の賞金に対抗したのかもしれませんね」
選考基準は「中国の価値観で世界平和に貢献した人物」となっている。過去の授賞者をみると、11年はロシアのプーチン首相(当時)、12年はアナン前国連事務総長、14年はカストロ・キューバ前国家評議会議長が選ばれている。今年の候補には村山氏のほか福田康夫元首相や朴槿恵韓国大統領、実業家のビル・ゲイツ氏らの名前も挙げられていた。
ムカベ大統領について、独立総合研究所の青山繁晴社長は「ムガベ大統領は現役独裁者の中で最悪の人物」と指摘する。だが、選考委員の1人は「そんなことは聞いたことがありません」と答えていた。
中国事情に詳しい拓殖大学の富坂聰教授は「中国が戦略的に力を入れていくべき相手を称える意図があるのではないか」と話している。