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正月続落!申年の株さてどっち?週刊ポスト「10%以上アップ」、週刊現代「9000円まで暴落」

   こうまで景気の読み方が違うのは珍しい。『週刊現代』と『週刊ポスト』の株を柱にした経済予測のことである。週刊現代は「日本株暴落のXデーは3・16」と悲観的だが、週刊ポストは「爆騰する日本株 これからが本番だ!」と強気だ。みなさんも覚えていると思うが、株に関しては週刊現代がずっと「上がる派」で、週刊ポストは逆に「懐疑派」だった。それが昨年秋(2015年)頃から逆転してきて、今週は真逆な予測になった。

   何しろ4日に東京株式市場が開くと続落に次ぐ続落。ついに一時は1万7000円を切ってしまったのだから、弱気はわかるが強気の根拠はどこにあるのか。週刊ポストを見てみよう。まずはリードで<2016年はまだ始まったばかり。冷静な目で内外の経済環境を見通せば、日本株に追い風となる好材料が揃っている。ならば、大幅に下落した今こそ「買いどき」だ。前号に続き、もう一度繰り返す。日本経済は絶好調、日本株は爆騰する、と>と煽る煽る。

   中国市場の混乱が日本市場の退潮をもたらすという悲観論は当てはまらないそうだ。<「長期的に見れば中国の統制経済化で世界経済は悪材料を払拭する形になり、日本経済を上昇させる要因になる」(武者リサーチ代表の武者陵司氏)>

   原油安による産油国の経済悪化も指摘されるが、武者氏はそれもプラス要因になるとしている。さらに好材料は、今年はアメリカにとって特別な年だからだという。<「大統領選の年は票集めのために景気対策が行われるため、GDP成長率が高くなる。アメリカ経済が上向けば、世界中の経済が好影響を受けることになります」(三井住友アセットマネジメント理事の宅森昭吉氏)>

   ISのテロや難民問題で揺れるヨーロッパも、経済的には明るい材料が出揃ってきたそうだ。日本国内に目を転じても、株価上昇の兆候は多い。15年には失業率が18年ぶりの水準に回復、有効求人倍率が23年ぶりの水準に回復、日本チェーンストア協会のスーパー売上高は23年ぶりに5か月連続で増加など、景気拡張サインがさまざまな形で点灯したというのである。

   <「申年には必ず米大統領選と夏季五輪が重なる。51年からの日経平均株価の対前年比データを見ると、申年は平均で10・4%も上昇している。その法則からいっても、今年は景気拡大、株高の期待は大きい。中国株ショックで一時的に株価が下がった今こそ、絶好の仕込みどきだといえます」(宅森氏)>

   ついには干支頼みになってきた。

   一方、週刊現代では経済アナリストの中原圭介氏が<「マネーが大転換を始めました。日本はいよいよ円安・株高局面が終わり、円高・株安局面に突入したのです」>といきなり悲観論。アベノミクスは限界、日本市場に残ったヘッジファンドは空売りで儲けを狙うため、いま暴落しているのは彼らの仕業で、1ドル=105~110円まで円高になり、株価は早晩1万7000円を割ると見る。エコノミストの中には1ドル=102円と見るのもいて、そうなると株価は1万4500円まで落ちる。

   製造業全般では119円40銭が想定為替で、マーケットではこの一線を超えれば、救急車を呼ぶ必要があるほど日本経済は重症になるとの意味を込めて「ドル119」と呼ばれているという。

   しかも、日銀がさらなる金融緩和の追加をすれば、<「日本株の本当の終わりが始まる。一時的には株価は上がるかもしれないが、金融政策ではもう日本企業の業績は支えられないとわかり、株価はまず1万4000円を目指して下落を始める。さらにマーケットが日銀の政策の矛盾を意識し始めると、第2弾の日本売りが幕開けする。年末までに、日本株は9000円まで売り込まれてもおかしくない」(ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表の菊池真氏)>というのである。

   週刊現代の結論は「株価が半値近くまで落ちるリスクがあるのだから、逃げるのが得策だ」。あなたならどちらを信じますか。

本気で戦争考えている北朝鮮!水爆実験でいよいよ孤立・・・中国・習近平主席「あのブタめ」

   週刊現代は水爆実験に成功したと豪語している金正恩第一書記が、中国によって「まもなく殺される」という物騒な記事を巻頭でやっている。筆者は近藤大介編集次長。

   習近平中国主席が「あの三ブタめ」と怒っているというのだ。ちなみに三ブタというのは「三代目のデブ」という意味だそうだ。読みどころは「あるキーパーソンを通して、朝鮮労働党幹部に話を聞くことができた」というところだ。

   <――新年早々、なぜ世界中にケンカを売る核実験を行ったのか。

   「1月8日はわが国で最も重要な『記念日』ではないか。当然、党・軍・政府の各部門は、金正恩第一書記が喜ぶ『誕生日プレゼント』を用意する。

   今回の水素爆弾実験は、最高のプレゼントになった。金第一書記は大変喜んで、実験を成功させた人々を直接接見して、労をねぎらった。

   わが国は5月に、36年ぶりとなる朝鮮労働党大会を控えている。また米帝(アメリカ)のオバマ政権は、今年が最後の一年だ。そのため、互いに強力な核保有国同士として、一刻も早く米帝との直接交渉を行うというわが国の強い『意思表示』が、今回の水爆実験だったのだ」

国際社会の「兵糧攻め」にどう対処するのか。

   「われわれは、貧困や苦境など、まったく恐れていない。朝鮮戦争の休戦から60年以上が過ぎたが、わが国は常に経済的苦境の中を生き抜いてきたのだ。90年代半ばには、『苦難の行軍』(約200万人が餓死した3年飢饉)を乗り切った。

   わが国は朝鮮戦争で米帝を蹴散らしたが、まだ完全な終戦には至っていない。この『戦争状態』を終結させ、平和な時代を築くには、わが国の自衛手段である強力な核兵器は、絶対に欠かせないのだ。このことは将軍様(故・金正日総書記)の『遺訓』でもある。 今後、米帝とその同盟国らがわが国に対して制裁を加えるのなら、わが国は戦争をも辞さない」>

   私が北朝鮮に1か月滞在していたときの感触でいえば、北朝鮮の7割ぐらいの人間は本気で戦争をすることを考えているだろう。もしも水素爆弾の実験に成功したとするなら、世界一厄介な火薬庫を日本の隣に抱えてしまったことになる。制裁一辺倒、強気一辺倒の安倍首相のような対応は危ないといわざるを得ない。北朝鮮には北風より太陽で温めて話し合いの場に引きずり出すしかないと思う。

美智子皇后が雅子妃を叱責・・・詳細なやりとりの公開を了承?さすが「週刊文春」スクープ

   『週刊文春』は「宮中重大スクープ」と謳って12月23日の天皇誕生日の日に、美智子皇后が雅子妃を「叱った」というのである。記事には詳細な美智子皇后の言葉が記されている。これは「すべての事情を知る千代田関係者が、その顛末を詳細に証言した」(週刊文春)とあるから、美智子皇后の了解を取った上で週刊文春に話したということだろう。

   かいつまんでいえば、雅子妃の病気について、多くの人々の前に姿を見せることが最善の道で、それが「適応障害」という病気にもとても良い効果をもたらすのではないか。

   もっと時間をかけて被災地を訪れ、被災者の方々の気持ちに触れるように。天皇陛下が大切に思われている広島原爆の日、長崎原爆の日、終戦記念日、沖縄慰霊の日の意義を深く考え理解してほしい。

   なかでも雅子妃の実家、小和田家とのことは、かなり厳しい言葉で話している。「ご家族という意味では、(連絡を取るのは)良いことであるけれど、皇室という中で小和田家は特別の存在ではありません。小和田家と、浩宮が育ってきた皇族というのは、文化が違うのですから。皇族の文化の中にある雅子が小和田家と触れ合いを持つという、そういう心構えでなければならないのよ」

   美智子皇后は、実家である正田家には嫁いだ後ほとんど顔を見せなかった。正田家側も控えめな態度で、母親の富美子さんは「機会(電話)を通してしか娘と話すことができません」と語っていたという。それに比べ、何かと小和田家と会いたがる雅子妃に、皇室に嫁ぐということはどういうことなのかを諭されたのである。

   さすが文藝春秋。美智子皇后と雅子妃の極めてプライベートな会話まで事細かに掲載するというのは、よほどの信頼関係がなければできないことである。私は皇室にはほとんど関心がなかったため、このスクープがどれほどの価値があるのかわからないが、一読の価値は間違いなくある。

滝川クリステル近著にパクリ疑惑!知り合いの研究「ま・る・う・つ・し」?

   同じ週刊文春に滝川クリステルが母親と共著で出した「リトルプリンセス・トリック」(講談社)に、東京五輪エンブレム問題のように「パクリ疑惑」が持ち上がっていると報じている。これは「星の王子さま」の謎解き本なのだそうだが、その着想が市井の文学研究者が長年研究してきたものと同じで、盗用したのではないかというのである。

   私はこういうことには門外漢だが、何でも滝クリの本では、サン=テグジュペリが描いた挿絵を読み解いていくと、王子はハレー彗星で、巻末のカラーとモノクロ挿絵が明けの明星と宵の明星をさしているという。

   それがどういう重要な意味を持つのか私にはわからないが、市井の研究者の友人がいうには、彼が長くその研究に没頭しきて、週刊文春の中で「彗星会議」の運営委員長を務めた国立天文台の渡部潤一副台長も「私が知る限り、国内でこういう研究をしている人は彼だけではないでしょうか」と証言している。そのうえ、滝クリの母親と件の研究者とは長年の知り合いで、彼に以前からこの話を聞いているのである。

   研究者が講談社に電話で問い合わせたところ、母親から電話があり、やりとりをしているうちに、母親の知人という人間から、右翼を仄めかして「これ以上騒ぎ立てるな」といってきたというのだ。穏やかでない。

   2000年の朝日新聞に研究者の話が載っているが、これについての著作はないようだ。だが、滝クリの母親のように「この世の中に私と同じようなことを考えている人がいてもおかしくないんじゃないですか」といういい草はちとおかしい。よく知った人間であり、彼から話を聞いているのだから。その本の核心部分がその発想だとしたら、それを丸ごと頂いて知らん顔ははなはだよろしくない。

   滝クリのブログのタイトルは「大切なものは目に見えない」というそうだが、これは「星の王子さま」の一節だそうだ。またしても起きたパクリ疑惑。やはり「呪われた東京五輪」なのだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか