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花で埋まる里と山!桜、桃、梅・・・10万本の花木咲き乱れる福島・渡利の春の競演!

   <ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅(NHK・BSプレミアム)>お出かけになるなら急いだ方がいいかもしれません。福島市の郊外・渡利地区の「花見山公園」はいまが花の競演です。さらさらいく小川、畑や田んぼが広がる村を囲む小高い雑木林の裏山に、農家が生け花などに使う花木を70年前から植え始め、いまや20種類10万本が咲き乱れます。写真家の故・秋山庄太郎さんも「福島に桃源郷あり」と通いました。

   農家は「枝もの」と呼ばれるこれらのつぼみの付いた枝を出荷します。ソメイヨシノ、ウメ、ハナモモ、ヒガンザクラ、ボケ、マンサク、レンギョウ、菜の花...が、雪が消え、気温が上がってくるこの時季に一斉に花開き、濃淡の白、桃色、黄色、赤が、まるで絵描きの使いかけのパレットのような鮮やかさで里村と山を覆います。農家の家屋敷も花々の中にあります。

   「山の斜面を彩る花のじゅうたんです。なんとも言えぬ里山の絶景を人々はいつしか花見山と呼ぶようになりました」(語りの森田美由紀アナ)

   花見山は標高180メートル、登れば眼下に花に埋まった村や谷、遠くに吾妻連峰が春霞に浮かんで、もうパステル画のようです。

人と鳥たちが一緒に守る豊かで美しい暮らし

   花の競演を待ち望んでいたのは花見客だけではありません。ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、ホオジロといった野鳥も甘い蜜や花粉を求めてやってきます。鳥たちは木につく虫を食べてくれるので農家も大歓迎。「人だけでなく、鳥も一緒に美しい風景を守っているのです。山からの贈り物を人と生き物が分かちあう里山」(森田アナ)には、厳しい中にも豊かな暮らしがあります。

   鳥たちの鳴き声を聞きながら、のんびりと散策ができます。村には散策路も整備され、年間に30万人も里村の四季を楽しみにやってきます。でも、マナーはしっかり守ってね。渡利地区は観光地ではなく、村の人々の生活の場です。草木を折ったりはもちろんですが、花木畑に入ったりすることも厳禁。マイカーで入り込むのもご遠慮ください。周辺の臨時駐車場からシャトルバスが運行されています。

   花が終わって5月になると新緑の季節。薫風が里と山をわたるこの時季もおすすめかも。(4月2日再放送)