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崩落「熊本城」修繕に10年間100億円!崩れた石垣組み直す職人がいない

   熊本地震で日本三大名城の一つ熊本城は石垣が崩れ、屋根瓦もほとんどがはがれ落ちた。熊本城は築城の名人といわれた加藤清正が1607年に建てた。天守閣は西南戦争で焼失して1960年の鉄筋で再建されたほかは、五間櫓、北十八間櫓、東十八間櫓、飯田丸五階櫓、宇土櫓、それに長塀など13件が国の重要文化財に指定されている。

   このうち、今回の地震で五間櫓が石垣まで崩れ全壊、北十八間櫓が倒壊、05年に復元された飯田丸五階櫓は1列の石積みにかろうじて支えられている状態だ。修復は可能なのか。

戦国時代から続く石工専門集団「穴太衆(あのうしゅう)」

   広島大大学院の三浦正幸教授は「国の重文なので元の材料を拾い集めて作り直すのが原則」という。気の遠くなる話である。石垣は敵が登るのを防ぐ「武者返し」という特殊な石組みで、大阪城、安土城、江戸城なども滋賀県坂本の南にある穴太村出身の穴太衆(あのうしゅう)と呼ばれた石工専門家集団が造った。

   その末裔である穴太衆頭15代目の粟田純徳・粟田建設社長は「元の形に戻すのは難しい。石組みの伝統技術を持つ職人が不足し、石垣だけで修復に10年はかかるのでは」と話す。

   修復費用として、森山建築エコノミストは「100億円はかかる」と見る。司会の羽鳥慎一「まずは被災地の生活環境の復旧から。そのあとシンボル熊本城の復旧が視野に入ってくるのでしょう」

   熊本城総合事務所は近く「復旧募金」の名で修繕費用の寄付の募集を開始するという。