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「世界こんなとこにも日本人」人気の秘密!歩き回って調べまくってやっと見つけてくるリサーチャー

   海外で暮らす日本人を探す番組って意外と長寿が多い。想像を絶するような秘境でたった一人で暮らす日本人。へえ~こんな生活をしている人がいるんだあとお宅訪問のようで最後まで意外と見てしまう。個人的には、結構好きな番組だ。

   それにしても、よくもまあこんな人を探してくるものだ。番組制作ではリサーチャーといって調べもの専門のスタッフがいる。ネタや資料を提供してくれる人たちで、専門の会社もあるが、多くは図書館や資料館などに問い合わせる地道な作業だ。海外で過ごす日本人の情報も、個人のブログやその国の日本人コミュニティーのサイトを探して見つけているんだと思う。

四苦八苦で探しても「番組になりにくい」の一言でボツ

   番組向きの日本人を探し出すのは大変な作業で、テレビで紹介するぐらいだからよっぽど面白いコトがないと番組にならない。たとえば、日本人が暮らしている場所にたどり着くまでが遠い(これはテレビの演出で遠いルートを選んでいる場合が多々ある)、住んでいる環境がジャングルや山奥や砂漠などの環境である。ドラマティックな人生かどうか。男性を追いかけてこの地へやってきた、もしくは現地で結婚した妻が闘病中で介護をしているなどなど。そうでなければ、ものすごくセレブリティーな生活。高級品を子供にバンバン買い与え、優雅に過ごしているような日本人である。

   でも、こういうテレビが求める人ってそう簡単にはいない。いくらリサーチャーが頑張って探しても、直接コンタクトを取ってみると、テレビ映えしないと制作陣が判断したらはいさようなら。テレビの演出・編集で「日本に暮らすふつうの日本人」が驚くような日本人に仕立て上げるけれど、無理な場合は無理なのだ。

取材される側も現地社会に気兼ね

   取材対象になった日本人も大変だ。現地の日本人コミュニティーとうまく折り合いをつけないといけないからだと、国際結婚をしてインドで暮らす知人が教えてくれた。テレビに登場するのは日本人夫婦もいるが、多くが国際結婚。商社の駐在員やその妻などは登場しない。しかし、日本人コミュニティーの、とくに女性たちの間で権力を握っているは駐在妻なんだそうだ。夫の仕事の収入、会社の規模でマウンティングされ、妙な見栄と意地の張り合いと仲良しごっこがあるらしい。

   現地オススメのものをすぐには紹介しない、毎年ホリデーで行く場所に流行があり、誰もが右ならえで同じ場所に行っているなど、不思議なコミュニティーだという。知人も日本にいたら絶対に友達にならないような人だけど、こっちは日本人が少ないからお友達として成立していると話していた。

   そう、日本人で妻という共通点だけで、このコミュニティーとどうしても接点ができてしまうらしい。その中である一人だけがテレビに取り上げられるとどうなるか。テレビの取材が入るらしいと噂はすぐに広まり、しかもテレビ側の都合でお蔵入りになっちゃったりしたら・・・。見栄を張りあう女たちの中で何が起こるのか想像しただけでぞっとする。在住日本人が少ない途上国であればあるほど、そういったことが起きやすいという。

   海外で頑張っている日本人を見ると、自分も負けていられないと鼓舞されるけれど、意外と非常にやっかいな現地日本人コミュニティーの人間関係を抱えていることも多い。そんな視点で改めて番組を見てみると、面白いかもしれない。

モジョっこ