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<カインとアベル>(フジテレビ系)
出演者がチャラ過ぎる「旧約聖書ドラマ」コテコテの茶髪で苦悶する弟!?あり得ん・・・

   旧約聖書「創世記」に登場するアダムとイブの息子たち「カインとアベル」は、兄カインが弟アベルに嫉妬し殺害してしまうというあまりにも有名なお話だ。これもとにしたオリジナルストーリーで、兄を桐谷健太、弟を山田涼介が演じている。

   なんとも大仰なタイトルで、番組サイトにも原案「旧約聖書 創世記 カインとアベルより」と書かれている。同じく「カインとアベル」を題材にしたものに、ジェームス・ディーンの主演映画「エデンの東」がある。山田涼介は平成のジェームス・ディーンになれるのか。

ただのお仕事ドラマに見えてしまう山田涼介

   大きく出たわりには、ストーリーはこじんまりしている。兄弟の愛憎劇というよりは、ただのお仕事ドラマになっていて、同じ「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔が主演したフジテレビ系の日9ドラマ「HOPE~期待ゼロの新入社員」と同じじゃないのという印象である。まあ、中島も新入社員を好演していたし、山田も悪くはない。

   どうしても気になってしまうのは茶髪だ。高田総合地所株式会社がどれほどの規模かはわからないが、見たところ随分立派な会社で、ファッション業界なら別だが、まともな会社にこんな茶髪はまずいない。社長の息子だからということで大目に見られているのだとしたら、それはそれでバカ息子ってことになってしまい、人物設定がおかしくなる。

   親に反抗=茶髪という連想なら安易すぎるし、オトナの事情とやらで茶髪でなくてはいけないというのなら、それはそれで問題だ。たかが茶髪、されど茶髪。役を演じるうえで、そのあたりのところはイロハのイ、基本中の基本なのに。

(中見出し)

荘厳なのはオープニングの「ショスタコーヴィッチ「交響曲第5番第4楽章」だけ

   らしく見えないといえば、兄役の桐谷健太もどう逆立ちしたって父に溺愛される優秀な兄には見えないし、父役の高嶋政伸も髭を蓄えれば威厳があるのかって話だし、その姉を演じる南果歩も洋行帰りの演技がオーバーで古過ぎる。兄の恋人・倉科カナも笑顔がなんか企んでいそうで油断ならない感じ。

   もうひとり、部長役で木下ほうかが出演しているが、彼がこの手の役をすると、すべてイヤミ課長(『痛快TV スカッとジャパン』)に見えてしまうのはいかがなものか。今にも「はい!論破」と言い出しそうで、落ち着かない。

   唯一いいなあと思うのは音楽で、オープニングにショスタコーヴィッチ「交響曲第5番第4楽章」を使っていることだ。壮大な音楽に見合うだけのドラマになって欲しいという期待を込めて、最後までつきあうとしよう。(月曜よる9時~)

くろうさぎ