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「お前には答えない」トランプ氏初会見でCNN記者とバトル! 「メキシコとの壁」実行と明言

   アメリカの次期大統領、ドナルド・トランプ氏が昨日(2017年1月11日、日本時間12日未明)、当選後初の記者会見を行った。しかし、選挙報道で厳しかったCNNの質問を受け付けず、激しい言い合いに。また、「メキシコとの壁」を実行すると言明など、波乱の幕開けとなった。

   日本時間の午前1時すぎ、トランプタワーで開いた会見で、トランプ氏は「会見は慣れてる。記者会見のおかげで指名を勝ち取れた」と皮肉に切り出した。「私について正確なニュースが報じられなくなったから会見を止めていたが、とりあえず今日は来ている。報道機関の多くにはお礼を言っておこう。幾つかのメディアは、長い間私にひどい扱いをしてきたがね」

   選挙報道では、ほとんどのメディアがアンチ・トランプ。彼はこれに、一方通行のツイッターで対抗してきた。フォロワー1900万人、つぶやき3万回以上。当選後だけでも300回を超えた。

   特に旗幟鮮明だったCNNの記者とは、たちまちバトルになった。「お前の質問に答えるつもりなどない」「お前の組織はひどい」と質問を受け付けず、次の記者を指名。なお質問をする記者に、「静かに! 彼女が質問しているんだ。無礼なことをするな!」「お前には答えない」

最高の雇用創出者になる

   雇用では、「フィアット・クライスラーが中西部に工場を作るという。フォードはメキシコ進出をやめた。感謝していつ。GMにも続いてもらいたい」「工場をメキシコに作るなら、高額な関税を払うことになる。私は、神が創り出した最高の雇用創出者になる」

   メキシコ国境の壁についても、「壁は作る。大統領に就任したらすぐに始める。覚えておけ。費用はメキシコが税金で払うことになる」。一方で「不法移民を別にすれば、メキシコ政府を尊敬している。メキシコ人は好きだ。私の会社でもたくさん働いているしね」

   貿易問題では、「不利な貿易条約のせいで中国に毎年何千億ドルもの損失を出している。日本ともメキシコともいい条約を結べていない」と述べ、さらに「私が大統領になったら、ロシアも中国も日本もメキシコ、すべての国が大きな敬意を払うことになる」といった。日本の名は2度出た。

   あれもこれも、これまではツイッターで展開してきたものが、」これからは、現実の政策、時には脅しとなってくる可能性がある。現に、トヨタのメキシコ進出計画に、「ありえない。アメリカに建てろ。さもなければ高額の関税を支払え」(5日)というつぶやきでトヨタの株価は一時3%もダウン、時価総額で約7000億円も下落した。

   はっきりしたのは、上から目線、強圧的。前嶋和弘・上智大教授に言わせると「身勝手」。選挙戦中に入っていたことと全く変わらなかったこと。

トランプ財団から身を引くと譲歩

   今回唯一譲歩したのは、トランプ財団などの経営から身を引くということ。大統領としても「利益相反問題」だ。「8年後ここで『いい仕事をした』と言えたらいいね。(やっぱり8年やるつもりなんだ)そうでなかった時は、私の決め台詞『お前はクビだ』と言ってやるよ」と言い捨て、会場を後にした。

   加藤浩次「選挙中と変わるかと期待されたが、変わってない」

   坂口孝則「雇用創出というけど、40年前アメリカの製造業で働く人は2000万人いた。今1200万人しかいない。フォードが1000人とか増やしてもさほどのことではない。今株価は上がっているが、就任後も続くかどうか」

   前嶋教授は、「この会見を見たら、世界中が、どうしたらいいだろうと考えるだろう」

   宇野常寛「こう関税などできるわけない。牽制球だ。しかし効果はあるので、本音とたてまえを見分けること。日本のことはあまり重要だと思っていない」

   前嶋「わかってない。あるいは、そう演出しているか」

   坂口「メキシコとアメリカの賃金は8倍の開きがある。アメリカ人は高いものをかわされことになりかねない」

   前嶋「彼は話を簡単にするから、じっと考えるとおかしいことがいろいろ」

トランプ政権は「3G」

   この後、森圭介がトランプ政権の人事を「3G政権」だと紹介した。1)ゴールドマン・サックス出身者が多い2)ジェネラル(将軍)が多い3)大富豪(Gazillionaire)が多い。まあ、前途多難は間違いないが、早いとこ、何が起こるか見たいものだ。