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トランプ大統領、就任直前 明暗分かれた週刊誌の見立て 文春砲に直撃された海上自衛隊・航空群エリート

   いよいよトランプが大統領に就任する。CNN調べでは支持率40%、不支持率が52%にもなる。アメリカのメディアにはこの政権の先行きを悲観的に見るところが多いようだが、日本では、トランプ就任で株が爆騰すると無邪気に煽っている週刊誌が2誌ある。

   週刊現代と週刊ポストである。週刊現代は少し前までは悲観論だったが、突然宗旨替えした。週刊現代が株価が上がるとする根拠は、アメリカの景気がすこぶるいいということらしい。それならトランプの大統領就任日に「株価の暴騰に備えよ」と、期日を指定することはないと思うのだが。

   週刊ポストのほうも、相場のプロたちが愛読している『闇株新聞』なるアングラ金融情報サイトが根拠というのでは、眉に唾をつけたくなろうというものだ。

   しかもそのご当人が、「これを理論的に説明することも、株価が上がりすぎていると批判することも無意味です」というのだから、信じるものは救われるという宗教のようなものである。

トランプ氏、私生活情報の真偽

   さすがに週刊文春や週刊新潮の関心はそこにはなく、先に米ニュースサイト『BuzzFeed』が報じた「ロシアがトランプ氏の私生活に関する不名誉な情報を握っている」内容の真偽について書いている。

   この情報は、大統領選のときにライバル陣営から依頼を受けた英国人の元スパイがまとめたものだという。

   内容を掻い摘まんで紹介しよう。2013年に「ミス・ユニバース・コンテスト」主催のためモスクワを訪れた時、トランプが起こしたらんちき騒ぎの映像。このとき、リッツ・カールトンに宿泊したトランプは、オバマ大統領夫妻が泊まった部屋に複数の売春婦を呼び、夫妻が使ったであろうベッドの上で、彼女たちに「ゴールデンシャワー(放尿)」のパフォーマンスをさせた。トランプ側近はクレムリンから継続的に情報を受け取り、その見返りとして在米ロシア人実業家の動向を伝えていた。

   ヒラリーのメールをハッキングしたのはロシアだといわれているが、その隠蔽についてもロシア側と話し合っていたというのだ。

   この「黄金シャワー」文書に書かれていることは裏がとれないと、大手メディアはスルーしていたが、ネットメディアが「国民は知る権利がある」と考え、公開に踏み切ったのである。

   文書の中には、トランプはウクライナ問題に言及しないという箇所があるが、トランプが15日に行った共同インタビューで、この問題でロシアに制裁を科しているが、これを緩和すると明言している。

   また、ニューズウィーク日本版でイブリン・ファーカス(非常勤シニアフェロー)が、この文書を「完全な捏造とみるのは難しそうだ。トランプがメモの内容を正式に否定した話はいまだにないからだ。彼の沈黙は、メモの信憑性を裏付けているとみてもいいのではないか」としている。

「利益相反」になる疑いも

   これが事実ならばそれだけでトランプは弾劾訴追されても仕方ないと思うが、それ以外にも週刊新潮によれば、「息子たちに自分の事業を引き継がせるため、大統領の立場を利用しての利益活動」「複数の商標登録を中国に申請しましたが、それが彼の在任中に認可されれば、(中略)憲法第1条9項8節に違反する可能性」。それ以外にも、昨年ワシントンにオープンしたホテルは元郵便局の建物で、今も連邦政府がトランプの関連企業にリースしているから、建物の貸主と借主が同じになる「利益相反」が生じるという。

   弾劾は下院の過半数の賛成、上院の3分の2が弾劾相当と判断すれば、トランプは大統領を罷免される。

   また、福井県立大学の島田洋一教授は、トランプが弾劾されれば、副大統領のマイク・ペンスがなったほうがいいと考える共和党議員は結構いるから、共和党でさえ最後まで守ろうとはしないと見ている。

   ニューズによれば、頼みのトランポノミクスも成功はおぼつかないという。トランプは法人税と所得税の両方を引き下げるといっているが、財政赤字を増やさずにこれをやり遂げるには、社会保障給付や高齢者医療保険制度を削るしかないが、彼自身、これらの縮小には反対の姿勢を示してきたから、これもできない。

   すると、これをやらずに法人税と所得税引き下げ政策をやれば、アメリカの財政赤字は爆発的に増え、ドル高が進み、貿易赤字は増大する。

   人心は離れ、中国との貿易戦争は現実味を帯び、ロシアがいつ裏切らないとも限らない。まさに四面楚歌から始まるトランプ時代は、見物している分には面白いが、日米同盟にすがりつく安倍首相にとっては厳しい年になるはずだ。

文春砲、海上自衛隊エリートを直撃

   次は週刊文春、週刊新潮の少し風変わりなスキャンダル。週刊文春は、尖閣諸島近海を監視する部隊である海上自衛隊の航空部隊、第五航空群のエリート指揮官が、女性と不適切な行為を繰り返していたと報じている。

   それは岩国基地の第31航空群司令の畠野俊一海将補(54)。14年から昨年の12月までその任に就いていたという。

   妻と子どもがいるが、沖縄時代は単身赴任。そのとき、ショートカットのきれいな女性が官舎を訪ねてきて、泊まっていったというのだ。この女性は、東京の広告代理店に勤務する40代のA女史。彼女は根っからの自衛隊ファンだそうだ。

   デートの時、畠野氏の部下である40代の女性隊員B氏も随行していたという。3人で食事をし、部屋まで流れて飲み直す。そのまま2人の女性に挟まれるようにして一つベッドで朝まで過ごす。

   そんな不可思議な関係が何度か続いたそうだが、そのうちB氏はこうした奇妙な三角関係に苦痛を感じ、親しい同僚にも相談していたという。

   週刊文春は3人がやりとりしたメールを入手した。そこでA女史はB氏に謝罪し、畠野氏と会うことをやめるといっている。

本人も3人「同衾」認める

   畠野氏に週刊文春が直撃。3人で一つのベッドで寝たのかと聞くと、突然笑い出しこういった。

「酔っ払ってそういうシチュエーションになっただけでしょう。それは自然な流れでしょうね。Bが三人で寝ようと言い出した」

   自衛隊法には「品位を保つ義務」というのがあるそうだ。空幕広報室は、調査中だが、事実だとしたら「規則に基づき厳正に対処します」と文春に答えている。

   ツーショットやA女史が畠野氏をマッサージしている写真も掲載されているから、B氏が情報源なのだろう。三角関係のもつれかな。

落語「子別れ」を地でいく政治家

   ところで、落語の古典「子別れ」は、山谷の隠居の弔いですっかりいい心持ちになった大工の熊五郎が、精進落としだと吉原へ繰り込んで連泊するところから始まる。

   昔は、弔いを口実に花街へ遊びに行くというのが、江戸っ子の通り相場だったようだが、これをそのまま現代で再現したエライ政治家さんの話を週刊新潮がやっている。

   今は女郎屋ではなくソープランドとなるが、驚くのは、このセンセイが待合室でフライデーを見ている姿が、相手に了解をとって写したのではないかと思うほどハッキリ、見開きモノクログラビアに載っていることである。

   新藤義孝元総務相、58歳。といってもほとんどの人は分からないが、硫黄島で玉砕した栗林忠道陸軍大将の孫といえば、思い出す人もあるかもしれない。

   川口市議を務めた後、自民党から出馬し、当選6回を重ねる。5年前の総裁選では安倍を支持して、安倍首相から可愛がられているという。

   この記事で驚くのは、1月10日夕方の彼の行動を、逐一書いてあることである。地元である川口市の斎場に行き、赤坂の議員宿舎に戻り、すぐに自ら運転して吉原の三本指に入るという超高級ソープへ入るのが午後8時50分。そこでは「ヤマザキ」と名乗り、待合室でフライデーをパラパラ見ているところまで描写し、そこで8万円を払う。

   11時7分に退店だから、2時間近く頑張ったことになる。

   ここでは担当のソープ嬢が迎えに来てくれて、部屋に入れば、ただ立っているだけでソープ嬢がすべてを脱がしてくれるそうだ。

   4日後、新潮は新藤議員を直撃する。驚いたろうね。写真を見せると「プライベートなことだから」と逃げの一手。そりゃそうだろう。このセンセイ、両親が設立した幼稚園の園長でもあるという。それにしても、FOCUSで培った隠し撮りの冴えは、一見の価値ありだ。

逮捕を予見していた?講談社編集者

   ところで、同じ日に妻殺しの容疑で逮捕された講談社の編集者についての続報に触れておこう。

   週刊現代は編集部として、大変遺憾だが、本人は無実を主張しているので、捜査の推移を見守りたいとし、やはりこの編集者は『進撃の巨人』の担当ではないとわざわざ言及している。

   一部夕刊紙には講談社は「沈黙の巨人」だと揶揄されていたが、致し方ないところもある。だが、彼の功績まで打ち消そうとするのは、やめたほうがいいと思う。

   週刊ポストもワイドの1本として触れているが、新しい事実はない。週刊文春は、妻のママ友が「四年ぐらい前、顔にあざが出来ていたことがありました。『ちょっと暴力を振るわれちゃって』と冗談めかしていましたが......」といっているそうだ。

   週刊新潮は見たところ触れていない。週刊アサヒ芸能が見開きでやっている。そこで、最近、あるマンガ家には逮捕を予見したかのような胸中を吐露していたと報じている。

「この先僕がいなくなっても大丈夫なように、3年、4年先を見据えた展開を今のうちに考えておきましょう」(講談社関係者)

   彼は韓国名にこだわり、奥さんは子どものために姓を変えたほうがいいと考え、そうしたこともいい争いの原因になったというが、私は、現代の日本では韓国名で差別を受けるようなことはないと思うのだが。

   正直いえば、彼は冤罪だと思いたい自分がいる。得がたい才能を惜しむからだ。