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森友学園・籠池理事長が反論 夜の独占取材では「安倍ファンですから」

   国有地の超安値払い下げの疑念に始まった、大阪の学校法人「森友学園」をめぐる疑惑で、大阪府が昨日(2017年3月9日)現地を調査したが、不調に終わったらしい。初めて姿を見せた籠池泰典理事長は、記者たちの質問には直接は答えず、府などへの不満をぶちまけた。

   午後1時頃、問題の小学校建設現場に現れた籠池氏は、後ろの校舎をさして「これが8年間の総決算」と切り出した。疑惑をめぐる記者たちの質問には一切答えず、「認可妥当(の決定)がなければ、この土地も定借しなかったし、建物も建てなかった。野党の人たちは、他に言うことないのか」とまくし立てた。

   「教育勅語がどうして悪い? 考えすぎるから日本社会はだんだんとおかしくなる」「お願いしますよ。私に、この学校を開校させて欲しい」といい、「大阪府の役人の話を聞いてきます。また戻ってきます」と去った。

   ところが20分でまた姿を現し、「書類は用意したが、大阪府は原本を持ってきて欲しいといって、帰って行かれました。なんなんですかね、あれは」という。ところが大阪府側に聞くと、全然違う。

領収書見せずに写真撮り始めた理事長妻

   府は、「そんなこと言ってません」という。領収書を見せてくれというところへ、幼稚園の副園長をしている籠池氏の妻の諄子氏が現れて、「マスコミに資料を提供しているのはお前やろ」と府の職員を指して、携帯で写真を撮り始めた。再三やめるよう言ったがやめなかったので、退出したのだという。

   調査と言っても、書類を見せて説明すれば済むはず。夫婦で仕組んだ調査潰しの作戦なのだろうか。

それぞれに都合のいい建築費

   同学園の小学校建設に関して、「最新の疑惑」は、建築費が異なる書類が3つ出てきたことだ。認可を求めて大阪府に出した書類では7億5000万円。騒音対策助成金のために「関西エアポート」に出した書類では、15億5500万円。補助金のために国に出した書類では、23億8000万円だった。

   それぞれに都合のいい金額を選んでいることは明白だが、籠池理事長は、こうした質問には一切答えなかった。

夜の取材に笑顔で答えた籠池夫妻

   ところが夜になって、JNNが路上で籠池夫妻を捕まえて声をかけたところ、態度が全然違う。「TBSさんか。私がTVを独占している。他にないのかね」とにこやかに答える。妻の諄子さんも「1カ月もいじめてくださって、ありがとうございました」と笑顔。「TVつければ悪人のように......何かしたんか」としれっと言う。大阪府の職員に対する態度とはえらい違いだ。

   籠池氏は、安倍首相に会ったことはないが、「安倍ファンですから」という。諄子さんは、「全国から応援のメッセージが10万通」という。「数えたんですか?」「メールが日に1000通、ブログが10万」。ただ、また一つ出た保育園の補助金1000万円余の不正受給疑惑については、「不正の認識はなかった。全部返します」と即答した。

   そして夫妻は、「また会見しますから」「おばはんの代表としてこれで終わりにします」と笑いながら夜の闇に消えていった。いやはや、大変な人たちだ。

参考人招致に反対する自民党

   その籠池氏では、連日国会で「参考人招致」をめぐって与野党がにらみ合っている。特に自民党が強硬に反対するのはなぜか。

   龍崎孝(流通経済大学教授)「参考人招致というのは、真相解明でもあるが、政治的にはそれで幕引きを図ることがよくある。ところが今回の場合は、新しい話が出てくる可能性があって。危険だという判断。今は呼べないと」

   司会の夏目三久「小学校の建築費で3つの数字が出てきた」

   龍崎「それぞれの目的に合った金額で、同時に3つの得をする。国の補助金、騒音対策では大きめの数字。逆に大阪府には、認可をもらうため、低めの数字で財務状態をよく見せる。これを同時にやったのは問題」「国も大阪府もあまり精査せずに結論を出している。行政の側の責任も当然ある」

   カギは近畿財務局だよ。安倍の意図の「忖度(そんたく)」をうやむやにしてはいけない。会計検査院で大丈夫かな。地検に聞いてみたいところだ。