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「働き方改革」掛け声倒れ!あさイチに殺到した「かえってサービス残業増えた」

   「長時間労働の改善」「在宅勤務の推進」「職場環境整備」など、安倍内閣は働き方改革の旗を振るが、はたして実態は改善されているのだろうか。「あさイチ」が街で聞くと、「残業やめましょうということにはなっている」(小売業の40代男性)、「夜9時半には電源が切れて完全退社」(人材派遣業の20代女性)と改革が進んでいるようにも見える一方で、実態は違うという声が多い。

   「制度が先に決まってしまって、社員の準備ができていない。無理やり回っている感じ」(医療周辺機器販売の40代男性)、「人数変わらないまま、仕事量減らないままなのに、早く帰れ、早く帰れと言われるので、実際は残業が増えてます」(金融業の40代女性)と不満が広がっている。柳澤秀夫キャスターは「国も企業も建前だけで、きれいごとを言っている感じがしてむなしい」と手厳しい。きょう7日(2017年6月)のテーマ「大丈夫?あなたや夫の"働き方"」に寄せられた視聴者のメールやファックスを紹介していこう。

プレミアムフライデー? どこの話だよ!

   瀬田宙大アナが6000人以上が回答した「NHKネットクラブアンケート」を紹介した。

   ★「(時間外勤務の)上限規制しても、サービス残業になるだけ。夫はタイムカード切ってからさらに残業してます」(夫が営業職という20代)

   ★「ノー残業やプレミアムフライデーができたところで、仕事の量が減るわけではない」(夫は公務員という30代)

   ★「残業ないと生活できません」(夫は印刷業)

   ★「主人は毎月140時間の残業。有給どころか代休も取れません」(夫がメーカー勤務)

   視聴者からのメールやファックスを有働由美子キャスターが読む。「水曜日はノー残業デーを実施していますが、業務量が変わらないので、朝早く出るか、木曜日は夜遅くまで残業です。対外的にはノー残業で社員に優しいをアピールしています」「残業代が付いてこそ生活できる給料。残業するなと言われてサービス残業が増え、給料は激減。生活苦に陥っています」「大企業の話を聞いても意味はない。中小、下請けの仕事は減らず、無報酬で働く実態が増えるだけ。プレミアムフライデーがどれほど実施されているか見れば、それはわかる」

   中小企業経営者、管理職は代わってもらえる人がいないため、働き過ぎ・働かせ過ぎの実態はもっと深刻だという訴えもあった。

ネットで「匿名内部告発」しよう

   なぜ残業は減らないのか。連合が調査すると、「人手が足りない」(49・0%)、「突発的な仕事がある」(42・6%)が大半で、「残業を織り込んだ業務」「先に帰りづらい雰囲気」「仕事の指示があいまい」なども目立つ。10%は「残業手当を生活の当てにしている」という。「納得いくように仕事を仕上げたい」(23・9%)という回答もあったが、残業を断れない実態が見て取れる。

   柳澤「働き方改革は会社側も言っているけど、実態はこの現実でしょ。中身が伴っていないということですよね」

   ゲスト出演した弁護士は労働基準局なり労働監督署に訴え出ろとすすめるのだが、むしろネットを使った「匿名内部告発」というのはどうだろう。ブラックな実態を社名入りで明かされたら、企業も動かざるを得ない。監督官庁からも注意や勧告を受けるだろう。安倍内閣が改革の旗を振っている今はチャンスかもしれない。

カズキ