J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

米軍基地に悩まされる韓国の小さな村 「騒音被害」と「ビジネス」の合間で揺れる

   きのう5日(2018年2月)に引き続き、きょう6日も柳澤秀夫キャスターと篠山輝信プレゼンターの「韓国旅」が放送された。

   きのうは北朝鮮を見渡せる展望台がある、軍事境界線近くの町「パジュ」を訪れたが、きょうは同じ町にある商業施設「プロバンスタウン」に出向いた。南仏のプロバンスをイメージして10年前に作られ、ソウルから気軽に日帰りできるスポットとして人気を博している。

レストラン店主「基地は必要。北のこともあるし...」

   何度か訪れているというカップルは、軍事境界線が近いことについて「(不安は)全くないです。ソウルと差はないです。僕も軍隊に行ったので一般人の知らないところで緊張状態が続いているのは知っています。だからといって心配してこういうところに来ないことはないし、遊ぶ時は遊びますよ」と語った。

   柳澤キャスター「のどかなデートスポットの一つってことなんだよ」

   篠山プレゼンター「僕が『軍事境界線の近くですけど』と言うとポカンとしますもんね。『そんなことわかってますけど』みたいな」

   パジュは北朝鮮に近いことで開発が遅れていたが、20年ほど前から開発が進み、今ではソウルのベッドタウンとして発展している。オシャレな店もあるが、あくまでも北朝鮮とは「休戦状態」だと突きつけられる現実もある。

   柳澤キャスター「外でずっと音楽が聞こえたんだよね。北朝鮮への宣伝工作なんですよ。『こっちの水は甘いよ』みたいな。韓国の方がいいんだよって向こうにアピールするための放送がずっと流れてるんですよ」

   二人はソウルから南へ60キロの位置にある、米軍基地がある町「ピョンテク」も訪れた。

   基地近くの商店街でレストランを営む、ハワイ生まれのキム・キョンホさんは、米軍基地について「必要でしょうね。北朝鮮のこともありますし、米軍がいなければどうなるかわかりませんよ」と話す。

   一方、市内のソンハ村では、住民が騒音などに苦しめられている。村内には「もう住めない、住みたくない、住民のための解決策を求めよう」「ヘリ低空飛行の騒音や粉じんのために真夏でも窓を閉めて暮らす苦痛、あなたは知っているだろうか?」と書かれた横断幕が掲げられている。

   村の公民館には、この土地に暮らして70年以上の人々が集まっていた。

「(基地ができてから村は)全部変わった。人がいなくなった。ここは出るべきよ。飛行機の騒音がひどくて住めないわ。基地がなくなればいいけど、ここで暮らしていくしかない」
「これからどうなるかわからない。今は南北の関係が良くないから。基地は必要なのかな。本当に必要なのかね...」

どの世代も「南北は同じ民族」の意識は高い

   柳澤キャスターと篠山プレゼンターは、昨年(2017年)沖縄で米軍基地周辺を取材していた。

   篠山プレゼンター「基地周辺の問題は共通する部分が多いという印象を受けました。一方でビジネスとして成り立っている面もあるということで、一概には言えないなと」

   井ノ原快彦キャスター「自分が生まれた場所なんか特にそうですが、別のところに行って住めばいいとかそんな簡単な問題じゃないですからね。遊んでたあの場所が全部基地になってしまうと想像すると...。日本も韓国も辛さは変わらないんだなと思いますね」

   南北問題については、世代にとって関心の高さが違ったが、全世代の人が口を揃えて「韓国と北朝鮮は分断されているけど我々は同じ民族だ」と話していたという。

   篠山プレゼンター「韓国の方のもどかしさを知るきっかけになったのが、僕にとって今回の平昌(ピョンチャン)五輪の一つの意味になりました」

ピコ花子