「最強のふたり」のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが監督と脚本だ。ウェディングプランナーのマックス(ジャン=ピエール・バクリ)に、17世紀建造の古城で豪華絢爛な結婚式を挙げたいという依頼が舞い込む。完璧に段取りしたつもりだったが、やってきたスタッフはまるでアテにならず、トラブルが次々に起き、結婚式の時間は刻々と迫ってくる。クセの強い新郎も登場し、事態は余計にこじれていく。
結婚式という人生で最もハッピーなイベントを舞台にした群像喜劇は、フランスらしいウィットが散りばめられ、クスッと笑って楽しむことができる。
依頼客のリクエストを無視して真逆の歌を熱唱するバンドボーカル、自分の都合が最優先でまるで仕事をしないウェイターやカメラマンなど、フランスっぽい個人主義のキャラクター設定に、最初は感情移入しづらいようにも思えたが、ついには社会人としては問題があるけれど、なぜか魅力的に見える人物たちのファンになってしまった。
チームワークが崩壊しかけながら、最後は力を合わせてトラブルを乗り越え成功させるストーリーは、日本の三谷幸喜の作品に通じる。
夕方から日付が変わる深夜まで行われる披露宴など、フランスならではの結婚式事情が垣間見ることができるのも面白い。
バード
おススメ度 ☆☆☆☆