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総裁選出馬どころではない野田聖子!「元反社夫」の仮想通貨ビジネスに疑惑あり―金融庁も注視

   岸田文雄政調会長が7月24日(2018年)、総裁選への立候補を見送ると発表した。安倍首相の三選を支持して、禅譲を待つというのである。

   バカな選択をしたものだ。だいいち、派閥の多くが安倍支持を決めているのだから、遅すぎた。岸田派の中には、これでは人事で冷や飯を食わされると心配する声があるという。それに、これまで禅譲するという約束が果たされたことなどない。仮に安倍が三選できたとしても、政権は今以上に統治能力を失い、混迷するはずだから、安倍に次を指名する力など残っていないだろう。

   今一人、総裁選に出るといい続けている野田聖子総務相(57)だが、こちらも一国のリーダーとしての資質を疑わせるスキャンダルが朝日新聞に報じられ、総裁選どころではない事態に追い込まれている。7月19日の朝日新聞の朝刊で、「野田の事務所が、金融庁から事業の違法性を指摘されていた会社の関係者を同席させ、金融庁の担当者に説明させていた」というのである。

   週刊文春によれば、1月30日午後2時に、野田の秘書と金融庁監督局の課長補佐3人、仮想通貨スピンドルを発行して事業資金を集めるICOと呼ばれるビジネスを手掛けているブラックスターの関係者が集まった。

   そもそも金融庁は、IOCには価格下落と詐欺のリスクがあると警鐘を鳴らしているのだ。この会社はしなければいけない仮想通貨事業者の登録を行わずに、昨年10月頃から上場前の販売(プレセール)を行っていた。当時社長であった宇田修一は、別の投資会社のトップだった16年に金融庁から行政処分を受けており、関東財務局から「宇田代表に法令等遵守意識及び投資者保護意識は皆無である」という指摘をされていた人物でもある。1月12日には金融庁はブラックスターに資金決済法違反の疑いありと指摘し、「回答がない場合、捜査当局への情報提供や必要な措置を取る」と警告していたのである。

   そんないかがわしい会社と、監督官庁の役人がなぜ会ったのか。野田が動いたのである。さらに、野田は致命的なミスを犯す。野田は女性記者との5月22日のオフレコ懇談会でこういってしまった。「朝日から一月三十日と日付まで指定され、情報公開請求をされた」

   朝日新聞の開示請求を開示決定前に知っていたというのだ。野田は情報公開法を所管する総務省のトップだから、これだけでも大問題である。

   野田は、安倍首相のモリカケ問題を「昔ならそれで一発アウトで退陣しなきゃいけない問題だよね」と批判してきた。その野田がなぜこのようなことをしてしまったのか。週刊文春も週刊新潮も、その裏には「元反社夫」と、GACKT(45)という芸能人がいると報じている。

   野田は自民党の鶴保庸介参院議員との結婚を解消した後、07年に大阪の焼き肉店のオーナーだった文信氏(51)と出会った。一目ぼれした野田が遠距離恋愛を続け、11年に長男を出産したのを機に結婚する。文信氏が野田姓になり、多忙な野田を支える「主夫」になったのである。だが、昨年9月、週刊文春が「文信氏は指定暴力団・会津小鉄会傘下の昌山組に所属していたことがあり、前科二犯」と報じたのである。

   文信氏とスピンドルの広告塔GACKTと先の宇田氏が組み、<昨年10月からのプレセールを経て、宇田氏が資金集め、文信氏が行政面の対応、GACKTが広告塔という役割を担う>(週刊文春)ようになったそうだ。宇田が狙っていた日本の取引所からは上場を却下され、5月19日に、マネーロンダリングの温床になった所など、海外5カ所の取引所に上場したという。

   金融庁呼び出し後もブラックスターはカネを集め続け、約120億円にもなったそうである。しかし、案の定、スピンドルの価値は数十分の一に暴落した。購入した1人は「今年1月にGACKTコインを4000万円購入したが、現在は数百万円に下落。出来高が少なすぎて手放せないし、事務局は取り合ってくれない」と憤る。

   スピンドル関係者は、取引記録を確認したところ<「宇田氏やGACKTらは5月19日の上場直後に手持ちのコイン約七千万円を売り抜けていた。宇田氏は日本を離れ、ロシアに潜伏中だそうです」>と話している。金融庁の幹部も、<「スピンドルについてはA4用紙数枚程度に"GACKTが関与""文信氏が実質的な運営者"という趣旨が記されている」>と、文信氏の動向を注視しているという。その他にも、通信ベンチャーを野田の名前をちらつかせて恫喝したなど、文信氏の悪い噂には事欠かないそうだ。

   それでも野田は、惚れた弱味か、いつも最後には夫を許してしまうそうである。今回も、朝日新聞の記者の「金融庁の問題で文信氏が関わっているのか」という質問に、「ございません!」と目を剥いて答えたという。

   亭主のやっていることに口を出せない女房に、国政を任せるわけにはいかない。それでいえば、妻・昭恵のやっていることに口を出せない安倍首相も、一国のトップとしての資質に欠けることも間違いないのだが。

   こうなると、安倍の対抗馬は石破茂しかいないが、次は彼のスキャンダルが週刊誌にリークされるのではないか。私は本気でそれを心配している。

「公安調査庁スパイ」中国で拘束20人以上!微々たるカネで送り込まれ捕まると知らん顔

   権力の恐さといえば、週刊現代に掲載された「日本政府に見捨てられた『公安スパイ』の肉声」という記事にも注目である。

   中国で逮捕され、懲役を科されている日本人たちは、公安調査庁から依頼され、スパイ活動に従事していた人たちだが、逮捕されると公安調査庁が何も面倒を見ないのはおかしいと、ジャーナリストの桜坂拳太朗氏が告発している。私は、このことが事実かどうか判断する何物もないが、もしこれが事実なら、大新聞でもきっちり取り上げ、政府に真相を問うべき大問題である。

   M氏は2015年5月にスパイ容疑で逮捕され、今月13日に遼寧省の丹東市中級人民法院で懲役5年の実刑判決を受けた。M氏は母親が在日朝鮮人で、帰還事業で北朝鮮に渡り、家族で北朝鮮から脱北してきた日本人である。

   彼は朝鮮語が堪能なため、中朝国境地帯に頻繁に行き、日本の報道関係者に情報提供するようになった。そこへ公安調査庁が接触し、月額15万円の謝礼で、北朝鮮の内部情報を取ってくれと依頼したという。

   公安調査庁と犬猿の仲にある警視庁公安部外事第二課の捜査員はこう話す。公安調査庁のやり方は乱暴すぎる。協力者をカネで買って国外に送り込んで、リスクの高いことをやらせるが、護衛要員もつけず、拘束されたときのマニュアルを叩きこむこともしない。リスク管理ができていないというのである。

   M氏は突然遼寧省で失踪した。中国国家安全部に身柄を拘束されたのである。拘置所では手ひどい暴行を受けると、かつて公安調査庁の仕事をして拘束されたことがある人間が語っている。

   その人間は都営住宅に住み、妻とは離婚し、身体を壊し、生活保護を受けているそうだ。<「でもあいつら(公安調査庁=筆者注)のやり方は許せない。微々たる金で私に危険な仕事をやらせたのに、私を助けようともしなかった。(中略)人生がむちゃくちゃになったのに、何の補償もない。私は損害賠償の訴訟を起こすつもりだ」>

   M氏は生き延びるために看守らに賄賂を渡しているという。だが、そのカネは家族から送られてくるカネだそうである。日本政府は2か月に1度、領事が面会に行く程度。こうした公安調査庁のエージェント(協力者)で、中国当局に身柄を拘束されている人間は、13年以降でも20人以上になると、日本政府関係者が話している。

   これが事実なら由々しき問題である。トランプ大統領なら、すぐにでも声明を発表して、我が国に送り返せというであろう。安倍首相は、拉致問題だけでなく、こうした人道上の問題を調査し、中国との話し合いを始めるべきだと思うが、そのような兆しは見られない。

テレビもスポーツ紙も後追いしない「タモリ・中園ミホ不倫」あの芸能界のドンが怖い

   先週、週刊新潮がタモリ(72)が売れっ子脚本家・中園ミホ(59)とデキていると報じていることを紹介した。だが、週刊新潮ともあろうものが、タモリも中園も直撃していない不思議な記事だと書いたが、その理由がわかった。

   今週号で、タモリの所属している「田辺エージェンシー」の社長で、芸能界のドンである田邊昭知氏がいかにコワモテか報じている。タモリの不倫について田邊社長に電話したが、「なぜ僕の電話を知っているのか」と怒鳴られ、「言葉遣いはぎりぎり崩れなかったが、内容は切っ先鋭い刃のようで、ドスが利いている。約めれば、"オレを誰だと思ってるんだ"となると、その時の恐ろしさを記している。

   タモリ不倫はワイドショーはもちろんのこと、スポーツ紙でも後追い記事はやらなかったそうだ。週刊新潮によれば、田邊氏が自ら「書くな」ということはない。周辺の関係者が自発的にやる流れが出来上がっていて、それできちっと鎮火するのだという。

   以前、田辺エージェンシーに所属している夏目三久とお笑い芸人の有吉弘行が熱愛していて、夏目はすでに妊娠していると日刊スポーツがスクープしたことがあった。これに激怒した田邊社長は、実際に付き合っていた2人をきっぱり別れさせ、スクープから3か月後、日刊スポーツは「夏目三久さんに関する報道のお詫びと訂正」を一面に掲載したのである。

   このときにも書いたが、2人が別れさせられたとして、夏目の妊娠はどうなったのだろう。いまだに気になっているのだが。

   ということで、週刊新潮といえども、ドンの前には抵抗し難く、あのような画竜点睛を欠く記事になったようである。あの記事では、後追いはやりにくいだろう。それとも週刊文春がもう一度チャレンジするか。あのタモリの不倫という極上のネタを放っておくのはもったいない。そう思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか