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東京医科大「入試」女子減点・裏口水増しの巧妙手口―狙いは寄付金集め

   東京医大はきのう7日(2018年8月)、一連の不祥事を調べた内部調査委員会の結果を発表した。その中で、「女子差別を含む得点調整」は「平成18年度(2006年度)から行われていた」と明らかにした。そのやり方はこうだ。

   2次試験の小論文(100点満点)で全員の得点を0.8倍し、その上で現役と1浪、2浪の男子受験生は20点、3浪の男子は10点を加点し、4浪以上の男子と女子は加点ゼロとした。この結果、女子は100点を取っても80点とされる。

   その理由を大学は「女性は年齢を重ねると、医師としてのアクティビティーが下がる」からだという。具体的には、結婚、出産、育児で、医師として働く時間が減るということだ。

   司会の羽鳥慎一が「ここがおかしいね」という。

   宇賀なつみキャスターも「おかしいですよ。それでも働けるように改革するべきなのに、最初から要らないと」

   野上慎平アナ「たしかに女子の離職率は高いんですが、それを改善するのではなく、入学でしぼっちゃった」

「女性医師率」日本はOECD最下位

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「女性が長く働くためには、環境を整える必要があります。そのためには、数を増やすことが大事で、前の職場の雑誌『AERA』では女性の方が多い」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「OECDの資料では、医師の男女比率で日本は35か国中の何位かわかりますか?」

   羽鳥「真ん中より下ぐらいかな」

   玉川「35位ですよ。そりゃ、入り口で絞ってたらそうなりますよ」「医師は過重な労働でブラック。やはりOECDで、日本は人口1000人あたりの医師の数で30位です。医師の数が足りないのだから、女性にも働いてもらおうとしても、できないんです」

前理事長らは個人的な謝礼

   その一方で、文部科学省の元局長の息子の得点は、1次、2次の試験でそれぞれ10点を加算して合格者の枠内に滑り込ませていた。他に6人の受験生に不正な得点操作があったという。同窓生の師弟を入学させ、寄付を集める目的もあったという。内部調査では、前理事長らが個人的な謝礼を受け取っていた疑惑もあるとしている。

   浜田「大学としては、点数のいい女子を入れないということは、それだけ優秀じゃない男子を取っているということ。そのリスクの方が大きいですよ」