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「イッテQでっち上げ」内村光良、宮川大輔は気付かなかったか?番組MC、高額ギャラの彼らにも責任あり

   「ヤラセは事実や真剣勝負に見せながら、演技や作為によるものをいう。捏造とは、事実でないことを偽って事実だと伝えること」

   日本テレビでNNNドキュメントやニュースキャスターをやり、現在は法政大教授の水島宏明氏は「内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造」(朝日新書)でこう定義している。

   これでいうと、先週の週刊文春が報じた日テレ「イッテQ」の「ラオスの橋祭り」は、ヤラセではなく捏造である。週刊文春は今週も、昨年2月12日(2017年)に放送された2時間特番「宮川・手越2人で挑む奇祭カリフラワー祭り」が捏造だったと報じている。

   タイの首都バンコクからクルマで6時間かかる避暑地の村で、「カリフラワーの収穫を祝う祭りが年に1度開かれる」として、村人たちが二人三脚で泥沼を駆け抜け、20キロのカリフラワーを収穫するスピードを競った。

   宮川大輔と手越祐也がタッグを組んで参加した番組は、同番組の視聴率歴代7位の22・2%を記録したという。

   だが、この村の村長は、テレビ番組のコーディネーターを夫に持つ地元住民から、「日本のテレビ局の撮影があり、スポーツ交流大会が行われる」としか聞いていないと、週刊文春に話している。

   当日の会場になったカリフラワー畑を所有する地主の1人も、「あのゲームは、あの時が最初で最後」だと証言する。ここでも優勝者や参加者には、賞金やマウンテンバイクなどの賞品が出たそうだ。しかも、現地当局への撮影許可申請には「野菜の収穫競争」として届けを出していることを、週刊文春側は確認している。

   先週は、「現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、参加者に賞金を渡した事実はない」と、下請けの責任にして疑惑を否定した日テレ側も、今回は、週刊文春発売前に「番組の意向でコーディネート会社が主催者になったイベントとして開催したケースがあった」「開催費用や賞金などが支払われていることもあった」と認め、「確認が不十分なまま放送に至ったことについて、当社に責任がある」と謝罪した。

   しょせんバラエティ番組なのだから、ヤラセやウソがあったっていいじゃないかと、擁護する声があるのは理解できる。だが、この番組は自らドキュメンタリーバラエティと銘打ち、モットーは「ウソとヤラセの完全排除」を謳っているのである。

   また、週刊文春は日テレの情報・制作局長の加藤幸二郎氏のこういう発言を取り上げている。<「番組の人格で『イッテQ』は笑いをやっているけれども、相手に対して失礼なことをしているという人格がないから、許してもらえていると思う」>

   ない祭りをでっち上げて、ラオスやタイの国民を笑いものにすることが「失礼」なことだとは考えないのだろうか。

   週刊文春はMCの内村光良や宮川大輔にはやや同情気味だが、彼らが何も知らなかったはずはないし、高額なギャラが支払われているのだから、責任はあると私は考える。

   この件で、視聴者の見る目が変わってくるはずだ。これからは、どこにヤラセやでっち上げがあるのかを探す楽みが加わり、演者がどんなに命がけであろうと、感情移入できないだろう。

   先の水島氏は本の中で、「放送に登場した告発者や被害者、あるいは客などが偽物だったという"不適切な取材"がなぜか日本テレビの番組ばかりに集中している印象だ」と書いている。

   フジテレビに追いつき追い越せと、テレビ界のトップに立っために、視聴率さえ取れれば何でもあり、という空気が現場にあるのではないか。一度、立ち止まって考えたほうがいい。

片山さつき「疑惑のデパート」産廃処分場乗っ取り疑惑の後援会長からタダで事務所提供

   考えたほうがいいのはこの人もそうだ。片山さつき地方創生担当大臣の「政治とカネ」のスキャンダルが止まらない。事務所費の架空計上疑惑、無償でカレンダーを配っていた公職選挙法違反疑惑、自著の出版の際、顔写真や名前が記された特大看板を設置した疑惑(出版社側が設置したという片山氏の説明に、出版社側は否定)、開催した集会の会費総額180万円不記載と、まさに「疑惑のデパート」である。

   週刊文春で連載をしている、小泉純一郎元首相の元首席秘書官・飯島勲氏も、「収支の出入りの総額まで訂正するようじゃ、政治資金の管理体制は言語道断と言わざるを得ないぜ」と厳しく批判している。

   さらに、今週の週刊新潮は、片山氏の資金管理団体とは別の「山桜会」という後援会組織の会長が、<「過去に、暴力団と手を組み、仙台市近郊にあった『竹の内産廃』という産業廃棄物処分場を乗っ取り、大騒動を引き起こしていた」>と報じている。

   乗っ取った「竹の内産廃」には、遠方からもゴミを捨てるトラックが列をなし、廃棄が禁じられている注射器などの医療廃棄物までが捨てられるようになった。そのために、地域住民から、水が黒い、臭いがひどいという苦情が多く寄せられたという。

   宮城県の調査では、致死量を大幅に上回る硫化水素ガスが検出され、ついには、宮城県警が社長などを廃棄物処理法違反で逮捕したそうである。会社は解散したが、本当の主役である先の会長や暴力団の総長は逮捕されなかった。

   汚臭の広がりを防ぐために、排水溝を設置するよう計17回も措置命令を出したが、聞き入れず、県が撤去など行政代執行にかかった費用は7億円にも達するという。

   当該の会長が経営する大阪支店の一部を片山に提供し、女性秘書がそこを足場に支援者周りなどをしているそうだ。だが、片山のどの収支報告書を見ても、会長に家賃を払っている記載はないという。

   週刊新潮はこう問う。彼女はかつて自民党の環境部会長を務め、産廃業界と政界のパイプ役となる「産業・資源循環議員連盟」の事務総長の立場にあるのに、<暴力団と一緒に乗っ取った産廃で周囲の住民に被害を及ぼすような人物を後援会のトップに据え、平然としていられるものなのか>

   週刊新潮は、彼女自身が安倍内閣の<産業廃棄物になってしまったかのようである>と指摘している。やや厳しすぎるとは思うが、困ったものである。

政界のサラブレッド・後藤田正純に元愛人から内容証明「2度と女を弄ぶな!」妻・水野真紀こんどこそ三行半?

   ひどいといえば、桜田義孝・五輪パラリンピック相の失言は、もはや芸術的といってもいいのではないか。五輪の関連予算を1500円、蓮舫議員をレンポウ。この御仁、サイバーセキュリティー担当の大臣を兼務しているのに、パソコンは使ったことがないという始末。

   週刊文春によれば、桜田氏は高校卒業後、昼間は大工の仕事をして明治大学の夜間に通っていたそうだ。その後、25歳の時に桜田建設を創業し、千葉県議から衆議院議員になった。時に「オレはカーペンターだから」というそうだが、今のままでは、大工さんたちから「一緒にするな」と叱られるはずだ。

   今週のとんでもない議員その3は、後藤田正純衆院議員(49)である。カミソリといわれた後藤田正晴元官房長官を大叔父に持つ、政界のサラブレッド。04年には女優の水野真紀(48)と結婚している。

   この御仁、酒と特に女にだらしないようだ。東日本大震災が起きた2011年の6月に、クラブで泥酔し、銀座ホステスを人目もはばからずに抱き寄せ、身体中をまさぐる姿がフライデーに載った。

   妻から「いい加減にしなさい」といわれ、議員宿舎も引き払って、妻の住む田園調布の豪邸で「マスオさん状態」にされたそうだが、こんなことでは懲りなかった。17年8月にフェイスブックで知り合った実業家の女性とホテルで会い、男女の関係を結んだそうだ。その後も、将来総理になるから一緒にいて、遊びで付き合うつもりはない、一生大事にするなどといってズルズル関係を続けていたという。

   昨年(2017年)のクリスマスイヴにも都内のホテルで会い、プレゼントを交換し合ったそうだ。それが今年3月頃から、後藤田のほうから疎遠になり、その後はメッセージを送っても「既読」にならなくなった。すると、この女性、弁護士を頼み、9月3日に内容証明便で後藤田氏の事務所へ申入書を送ったのである。

   彼女の意図はこうだという。金銭目的ではない。あなたは何のために政治家になったのか。女性は自己満足のための道具に過ぎないのかを問いたいそうだ。そして、2度と他の女性が同じような目に遭わないように、後藤田という男の人間性を広く知ってもらいたいためだというのである。

   妻の水野は、今度はどう出るのか。お互い弁護士をつけて、決着は司法の場になるそうだ。

終わった人2人が「密議」凝らしても・・・橋下徹・小沢一郎で政権奪取なんて政界おとぎ話

   「オレの苦労も分からないで」と、自党の議員たちの呆れ果てた愚行に、安倍首相は内心穏やかではないだろう。頭の中は来夏の参院選をどう切り抜けるかでいっぱいなのに、どいつもこいつも頼りにならんという憤りからか、または焦りからか、プーチン・ロシア大統領と会談して、突然、「日ロ平和条約を3年以内に締結する」ことで合意したと発表した。

   その上、これまでの4島返還ではなく、歯舞、色丹の2島返還でいいとまでいい出したようだ。この大転換は何を意味するのか。それとも、殿ご乱心なのだろうか。

   週刊現代を見てみよう。来夏の参院選は厳しい戦いになるため、安倍首相は衆参ダブル選挙を狙っていると推測している。しかし、どうあがいてもレイムダックになった政権は、じり貧になるだけだ。ポスト安倍が真顔で囁かれ始めているが、その中でも、あのお騒がせ男が政界進出、それも総理の椅子を狙っていると報じている。

   その根拠は、橋下徹元市長が最近出した新書「政権奪取論」(朝日新書)。橋下は自民党入りなど狙わず、立憲民主党を除いた野党の結集を呼び掛け、自民党に代わる党をつくる気だというのである。

   またぞろそこへ登場するのが、剛腕・小沢一郎。小沢が裏にいて橋下が総理候補になる。政界おとぎ話だと私は思うが、小泉進次郎も馬脚を現し、石破茂もひところの勢いがない。

   そこで橋下元市長を担ごうとするのは、わからないでもないが、彼は昔の彼ならず。テレビの安田純平氏批判を聞いていても、昔の切れはどこにもない。

   内館牧子風にいえば、「終わった人」である。こういう名前しか上がってこないのが、今の政界の人材のなさなのであろう。