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韓流アイドル追っかけ大迷惑!離陸直前の飛行機に乗り込んで写真―乗客全員下ろされ出国手続きやり直し

   香港国際空港で15日(2018年12月)、韓国行きの大韓航空便の乗客360人が離陸直前に全員機外に降ろされるという異常事態が起きた。それ以前にも、香港空港は大騒ぎだった。超満員のエレベーターから飛び出して倒れこむ女性、空港ビル内で先を争って走り、肩車をして写真を撮るなど、もうはや暴徒状態だった。

   いったい何があったのか。オーディション番組で期間限定で結成された11人の韓国アイドルグループ「WanaOne(ワナワン)」のファンたちで、日本でもデビューしており、アジア圏で大人気となっている。この日は香港でイベントがあり、ファンが見送りのために空港ロビーに殺到したのだった。

中国人ファン写真撮り終ったら「降りたい!」と搭乗キャンセル

   なかでも大迷惑だったのは中国人の追っかけ3人で、写真を撮ろうとメンバーの乗る飛行機の機内まで付いていき、撮り終ると、彼女たちはチケットを購入した乗客だったが、突然「降りたい」と言い出して、離陸直前の飛行機を降りてしまったのだ。

   大韓航空の規則では、1度機内に入った乗客が降りた場合は、爆発物などの確認をするため、いったん全乗客を降ろし、手荷物検査からやり直すことになっている。そのため、乗客360人全員が下ろされ、出発が1時間近く遅れることになった。

   実はアイドルに会うためだけに飛行機に乗り込み、離陸直前にキャンセルするファンは韓国ではたびたび見られ、社会問題になっている。ソウル・仁川空港では今年に入って35件発生し、出国手続き後のキャンセルも1~9月だけで1万2843件発生している。大半がアイドルの追っかけによるものだという。

   大韓航空は1月1日(2019年)から国際線で出国審査を済ませた後に搭乗をキャンセルした場合は、約2万円を追加で課すことにした。

他の乗客は損害賠償請求

   山﨑夕貴キャスター「一瞬でも長く一緒にいたいという心理はわからないでもないですが、自分が居合わせた客だったらたまらないですよ」

   社会学者の古市憲寿は「心が強いですね。でも、本当のファンなら降りずに目的地まで一緒にいたいと思わないのかなあ。キャンセルするというのがみみっちい」

   国際政治学者の三浦瑠麗「キャンセルしても返金される制度を悪用している気がするので、返金せずに全額徴収してもいい。しかし、どうやってアイドルが乗る便を特定しているのかしら」

   弁護士の山田秀雄は法的問題になりうる事例と言い、「もしも飛行機が1時間遅れてビジネスチャンスを逃したら、損害賠償を請求するのはありうること」と話す。

   アイドル追っかけファンが、入場パスを偽造したり、アイドルと同じ車種の車でお迎えのふりをしたり、髪を短く切って男性に化けて男子トイレに侵入するなどが報告されている。

   日本の空港では起こっていないのだろうか。