J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

大阪府民を恐怖に陥れた拳銃強奪犯スピード逮捕 逮捕の決め手は防犯カメラと父親の通報

   16日(2019年6月)朝5時38分、大阪府吹田市の阪急千里線千里山駅前の千里山交番が襲撃され、警察官が重傷を負い、拳銃が奪われた事件は、発生から1日で容疑者がスピード逮捕された。

   捕まったのは東京都品川区在住の元自衛官でゴルフ練習場アルバイト(33)。今朝(17日)早く、大阪府箕面市の山道にある木製ベンチでリュックサックを枕に寝ているところを捜索中の警察官に発見された。ビニール袋に入れられた拳銃もベンチの下から回収された。実弾5発のうち1発がなくなっていたが、拳銃による被害はないという。

綿密な計画とずさんな逃亡。ちぐはぐな犯行に謎が残る

   逮捕のきっかけは、交番防犯カメラに8回も映っていた白い帽子にメガネ姿の不審な男。大阪府警が画像を公開すると、「息子に似ている」という通報が入った。事件当日午前9時には、事件現場から5キロ離れた北千里のイオン店員から「右手に血のついた男が商品を買っていった」と通報が入り、さらに午前10時半には逮捕現場近くのコンビニの防犯カメラにも姿が映っていたことから、警察は5千人体制で行方を追っていた。

   容疑者は数日前から近くの南千里駅のホテルに宿泊、事件当日は1時間ほど前に交番近くを何度もうろついていた。事件発生の10分前に、ホテルとは反対側の関大前駅から空き巣の通報が入り、交番に勤務する3人のうち2人が向かった。しかし、空き巣は嘘で、交番を手薄にする偽装工作とみられている。

   刺された古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)は防刃ベストを着用していた。しかし、容疑者が脇の部分から胸を狙って7度も刺したため、傷は肺を貫通して心臓まで達し、古瀬巡査は意識不明の重体となっている。

防犯カメラに映っても構わないという強い意志

   大阪府警は拳銃が奪われにくいケースへと順次変更を進めていたが、古瀬巡査のケースは交換前だった。旧型ケースは器具を使うと拳銃のヒモのフックを外すことができる。ヒモを切らずにフックをはずしていることから容疑者が構造を知っていた可能性もある。

   空き巣の偽装や防刃ベストの隙間を狙った襲撃、拳銃フックの外し方などからは、容疑者が綿密な犯行計画を立てていたことがうかがえる。その一方で無防備に防犯カメラに映ったり、血のついた手で買い物をしたり、さらに山道のベンチで寝るなど、ずさんな行動も見られる。

   小倉智昭キャスター「警察官の拳銃を奪うのは何らかの目的があったはず」

   古市憲寿(社会学者)「大阪はG20も控えている。無事拳銃が見つかってよかった」

   橋口いくよ(作家)「一発を何に使ったのか。残りの4発を何に使おうとしていたのか。用意周到だったのに、事件後血がついたまま買い物するなど、綿密さのバランスがとれていない」

   佐々木成三(元埼玉県警捜査一課)「犯行現場にカメラにあることはわかっていたはず。映っても構わないという強い意志で犯行を行ったのでは。証拠隠滅は考えていなかったのかもしれない」

みっちゃん