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「ドアに手が当たった。治療費払え」個人タクシー狙った新手の当たり屋!モーニングショーが直撃

   神戸市でタクシー運転手に難癖をつけて、金を要求する悪質な事件が相次いでいる。「乗るときにドアが当たった」と文句をつけ、ドライブレコーダーを切らせて、慰謝料を要求するのだ。

   先月21日(2019年11月)の犯行のドラレコ映像があった。3人連れの客で、2人は後部座席、1人が助手席に乗り込み、「西市民病院」と行き先を告げる。

   しばらく走ったところで、後ろの席の男が「さっきドアが当たったんや」と言い出す。助手席の男が「左肘が当たった。ワシも見た」と言い出す。

   目的地について料金を払った後、助手席の男が「あのな、こいつが言うとるのはな」と、ドアがぶつかったことの再現を始めた。運転手は携帯電話で警察に通報したが、警察は「人身事故でも物損でもない」と介入しない(民事不介入)。すると、3人組は「ドラレコを切れ」と言いだし、運転手はスイッチを切った。映像はここで終わる。

   運転手によると、3人組は「治療費」を要求して、運転手は3万円を払ったという。しかし、ドラレコが切られているから証拠がない。

ドライブレコーダー切らせ、しつこく金銭要求

   運転手が所属する組合の理事長は、話を聞いた時、「またこいつらか」と思ったという。7、8月以降、未遂も含めて、同じような被害が5件が報告されていたからだ。この3人組の映像を別の被害運転手に見せたところ、同じ人物だと確認した。その運転手もやはり「ドアがぶつかった」としつこく言われ、「1万円を払った」という。

   他に、「膝が当たった」とごねられるなど、いずれも個人タクシーだ。組合理事長は「個人事業者は弱い。指でも足でも事故扱いになると、免許の点数を減らされる恐れがあります。会社なら裁判してでも闘えますが、個人ではできない」という。組合は近く、まとめて被害届を出すという。

取材に開き直り「痛かったから・・・こっちが被害者だ」

   「モーニングショー」は、実はこの3人組を見つけ出して直撃していた。助手席の男は「ドラレコを切れとはいっとらん。金銭要求も知らない」という。後部座席の1人は「痛かったから、ドラレコ切れといった」と話す。3万円は受け取ったが、「向こうから3万円で示談にといってきた。こっちが被害者だ。組合が被害届を出すのはおかしい」と開き直った。

   こうした事情に詳しい弁護士によると、「ドラレコを切れ」というのは強要罪になりうる。揉み合いになれば暴行罪。ドラレコを外されたら器物損壊罪。「ドラレコは切ってはいけない。すべて証拠になるから」と説明する。

   高木美保(タレント)「運転手は警察に通報してますよね。警察が対応しないのはショックですよ。その時点で、当たり屋かもと言っていたら、話は違ったかもしれないですね」

   司会の羽鳥慎一「ドラレコは、カードを抜くために切るボタンがあるらしい」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「電源を切れると知っているんですね。もし切れなければ、話は違ってくるだろう。メーカーも対応機種を作るとか、これをきっかけに変わるといい」

   それにしても、警察官を見に行かせることもなく「民事不介入」と判断するのは、警察の職務怠慢ではないのか。