J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

【新連載】今でもジャニー喜多川さんから電話が来て、楽しくコンテンツの話ができる気がする

   去年7月9日(2019年)に、ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川さんが87歳でお亡くなりになりました。9月4日には、東京ドームで「お別れの会」が開催されました。

   私は、日本テレビのプロデューサーとして、連続ドラマ、バラエティー、24時間テレビで一緒に仕事をして、大変お世話になりました。ジャニーさんは、厳しい中にも明るさとユーモアがあり、先見性も素晴らしく、私の大好きな方でした。

   私が初めてジャニーさんに会ったのは、「第20回24時間テレビ」の番組パーソナリティーにKinki Kidsの出演を依頼するためだったと記憶しています。1997年の春頃でした。ジャニーズ事務所のマネージャーさんと一緒に、六本木のアークヒルズ最上階のジャニーさんの部屋にお邪魔しました。

テレビ番組のキースタッフとも気軽に携帯電話でやりとり

   気さくで明るい方というのが、ジャニーさんの第一印象です。Kinki Kidsの出演はすぐに了解していただきましたが、話をしている最中に、ジャニーさんの携帯電話に頻繁に電話が入ってきます。話している状況から、ジャニーさんは普段から、テレビ番組スタッフのキーパーソンと細かくやりとりをされているようでした。

   今さら言うまでもなく、ジャニーさんは数多いジャニーズジュニアという原石の集まりから、多数のヒットアイドルをプロデュースして世に送り出してきた、不世出の天才です。テレビ番組の場合は、信頼できる番組スタッフにはある程度任せていただいたという印象が強いです。現場が好きな方で、番組のキーだと思えば、若いスタッフとも気さくに携帯電話でやり取りをされていました。

   今でも、ジャニーさんから私の携帯電話に「渡辺さん、ジャニーです」と、明るい声で電話がかかってきて、ユーモアを交えながらコンテンツの話をいろいろできるような気がします。

   ジャニーさん、ありがとうございました。改めて、心からご冥福をお祈り申し上げます。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。